2023.4.27
こんにちは!
日立ハイテクソリューションズ 採用担当 嘉形です。
当社埼玉事業所の事業に関連する話題として、社会インフラの1つである鉄道車両の安全運行について取り上げます。
皆さんご存知の通り、現代の鉄道は地上にあっても地下にあってもレールの上を、電気を動力として走っているのがほとんどですよね。
もし、レールや電気を供給する電線(「トロリ線」とか「架線」といいます)に異常が発生すればたちまち電車は止まってしまい、多くの人たちの移動に影響を及ぼしてしまいます。
そのため異常を早期に検知し対処につなげることは大変重要なのです。
当社では日本の大動脈である新幹線をはじめとして、JRの在来線や公私営の鉄道や地下鉄を含めその安全運行を阻害する事象を検出し、迅速な対処を取れるようにするための検測システム/機器を開発しています。
『レール検測』では、「ねじれ」や「ゆがみ」といったレールの異常を検知して、早期修復と脱線事故防止はもちろんのこと、滑らかな乗り心地の維持・向上に繋げています。
『トロリ線検測』では、電気を供給する架線の異常を検知し、断線などによる車両や周辺設備に対する損害防止に繋げています。これらのシステムや機器は専用の鉄道車両に搭載されています。例えば、新幹線の総合検測車では新幹線と同等の高速走行の下で軌道や架線の状態を正確に検測し、鉄道の安全運行を支えています。
当社の鉄道に関連する社会インフラ事業は、JRがまだ日本国有鉄道といわれていた時代の1966年に在来線軌道検測車を納入したことがその後新幹線においても導入が進み、50年以上の年月が経過しました(現在の当社の歴史をはるかに超えていますね)。
そういえばだいぶ前の話にはなりますが、ある日事業所内の敷地で工事が始まりました。
建物の工事かなと思っていたのですが、完成してみるとそのエリアに鉄道のレールが敷設されていて驚いたことを思い出しました。車両非搭載型のレール検測装置をテストするための線路だったのですが、恐る恐るそのエリアに入って冷たいレールや敷かれた砂利(バラスト)の感触を確かめたことを思い出しました。
私の懐かしいエピソードです。
検測用車両を使っての検測は長い歴史がありますが、お客さまのニーズも変化してきており、技術の進歩と相まって小型化・軽量化・高性能化・DX化により、在来線で乗客を乗せた状態で検測する営業車搭載型の検測装置の導入も始まっています。営業車両で検測が出来るようになると、今まで以上に高頻度なデータを取得することが可能となり、予防保全や予兆分析などに活用されることが期待されます。
これからも鉄道の安全な運行管理を願いつつ、またお目に掛れますように。