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「見る、測る、分析する」技術でEVシフト支える
リチウムイオン電池製造ソリューション

脱炭素 循環型社会 科学技術の発展 CSRサプライチェーン

気候変動への危機感を背景に、日本をはじめ世界中でEV(電気自動車)シフトが急速に進んでいます。EVの蓄電池として使用されるリチウムイオン電池(LiB)の需要は急増し、車載用リチウムイオン電池の市場はこの5年で6兆円に達するとの試算もあります。持続可能な地球環境への貢献を目指す日立ハイテクは、リチウムイオン電池を開発・製造するメーカーに、安全で長持ちする電池の製造設備や品質管理サービスを提供することで、EVの普及促進に貢献し、気候変動対策を後押ししています。

リチウムイオン電池産業発展の一翼を担う

2000年代、世界で初めてEVの量産化が始まりました。このEVに必要不可欠なリチウムイオン電池の製造に携わっているのが、日立ハイテクです。

「あのころは、リチウムイオン電池のEV搭載が次々と発表され、それに伴うお客様の投資が活発でした。私自身は納期に間に合うように設備を整えていくことに、とにかく必死でした。新工場に設備を納入する案件も、いくつもありました。泥だらけだった平地に美しい工場が建った姿を見て、お客様と一緒に汗をかいたような気持ちでした。それからしばらくして、公道を走るEVを見て、やっとここに使われていたんだと実感が沸きました。感慨深いものがありましたね」

日立ハイテク産業ソリューション事業統括本部エナジーデバイスソリューション部部長の佐藤誠は、こう振り返ります。

日立ハイテクはもともと1980年代から磁気メディアの自動組み立て装置を手掛けていました。フロッピーディスク、VHSビデオテープ、カセットテープ、MDといった磁気メディア製品を作るための設備をメーカーに提供していたのです。

その後、1990年代に入ると、半導体の技術革新が急速に進みました。「半導体の発展によって磁気メディアは衰退し、将来的には『バッテリー』の分野が伸びていくのではないかと、先輩たちは予測していたようです」(佐藤)。

1980年代の一般消費者向け製品のバッテリーは、ニッケル水素電池やニッカド電池が主流でした。1990年代に入り、小型で大容量のリチウムイオン電池が搭載され、量産化によってビデオカメラやノートパソコン、スマートフォンといった電子機器の小型化・薄型化が進んでいきました。

「リチウムイオン電池の仕事にかかわることで、社会の発展に貢献したいという思いがありました。これは『より便利に、より手軽に』という人々の希望を叶えていくことでもありました。磁気メディア関係でお付き合いのあったお客様から話を頂いて、初めてリチウムイオン電池の製造設備を手掛けることになりました。それが1990年代前半のことです。電池製造には、さまざまな工程がありますが、世に出た電池には私たちの技術が必ず使われているようになっていきました」(佐藤)

高線圧・高精度の圧縮技術で、電極材の高密度化・電池性能の均一化を実現する
ロールプレス設備
日立パワーソリューションズ製のロールプレス機。高線圧・高精度の圧縮技術で、電極材の高密度化・電池性能の均一化を実現する
(株)日立パワーソリューションズ製

LiB電池の生産を支え、気候変動対策を後押し

2015年12月の「パリ協定」採択以降、気候変動への危機感から、各国が脱炭素化を進めています。パリ協定では、世界の平均気温の上昇を産業革命前に比べて1.5度に抑えるために、各国に「2050年までにカーボンニュートラル(実質ゼロ)」を実現することを求めています。

その流れのなかで、日本を含め世界各地で、ガソリン車規制の方針が相次いで発表され、EVシフトが進んでいます。これに伴い、リチウムイオン電池の需要がより一層高まっています。

日立ハイテクでは、「R&D(研究開発)」「製造」「品質管理」というバリューチェーンのあらゆる場面で、リチウムイオン電池の製造設備から部材 まで最先端のソリューションを提供しています。

佐藤は「リチウムイオン電池の生産を支えることで、EVの普及を促進し、社会全体の脱炭素化に貢献していきたい。さらに、当社の『見る、測る、分析する』技術という強みを生かして、より安全で、より長持ちする電池づくりを支えていきたい」と意気込みを語ります。

「電池の中に異物が入っていると、将来その電池が燃えてしまったり、電池の性能が落ちやすくなったり、長持ちしないEVになってしまいます。EVには1台あたり数百から数千個の電池が必要なのですが、その一つひとつの品質を高めることで、環境負荷を減らし、資源を無駄にしないモノづくりができると考えています」(佐藤)

トータルソリューションで環境負荷を低らす

EVは走行時のCO2排出量が少ないことから「脱炭素の切り札」として期待されていますが、リチウムイオン電池の製造には、膨大な電気を使用します。

日立ハイテク産業ソリューション事業統括本部エナジーデバイスソリューション部部長代理の相内尋也は「環境に良いモノを作っているはずが、実は環境に負荷をかけているという側面もあります。欧州のお客様の『要求仕様』の中には、『今後どうやって装置の消費電力を下げていくのか』といったものもあります。次世代にしわ寄せがいかないように、こうした課題に真摯に向き合い、なるべくCO2を排出しない低炭素なモノづくりをお客様と共に考えていきたい」と語ります。

日立ハイテクは、お客様の高品質な電池の製造、またその製造における環境負荷の低減のお手伝いをし、更に電池の再利用を促すことで、サーキュラーエコノミー(循環型経済)にも貢献していきます。

日立ハイテクが開発したリチウムイオン電池の「電池劣化高速診断手法」は、電池の「残存性能」を瞬時に「見える化」するものです。これにより、EVとして役目を終えても、フォークリフトやゴルフカート用の電源など、ほかの用途で再利用することができ、電池を最後まで使い切ることにつながります。

日立ハイテクの「リチウムイオン電池ライフサイクルマネジメントソリューション」はEVの普及促進とサーキュラーエコノミーの実現にも寄与する
日立ハイテクの「リチウムイオン電池ライフサイクルマネジメントソリューション」はEVの普及促進とサーキュラーエコノミーの実現にも寄与する

さらに日立ハイテクは、次世代電池として期待される全固体電池などの開発・製造ソリューションについても、積極的に取り組んでいます。

「車だけでなく、空を飛ぶ輸送機に電池を使うことが検討されているなか、もっと電池自体を軽くする必要があり、『次世代電池』への期待が高まっています。さらなる『脱炭素化』を進めるためにも、次世代電池の試作設備・量産設備の開発に力を入れていきたい」(佐藤)

2021-09-21

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