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『現状維持でホントに良いですか? ~患者に貢献できる検査室への組織変革~』

[座長] 櫛引 健一先生
関西医療大学 保健医療学部 臨床検査学科

[演者] 今枝 義博先生
社会福祉法人聖霊会 聖霊病院 臨床検査技術科

[概要]

当院は1945年に聖霊診療所として開院し、現在は病床数198床、1日平均外来患者数291.4人、平均在院日数12.3日です。また、高齢者急性期、周産期、緩和ケア、病診連携推進の4機能を有し地域多機能ハブ病院として地域の医療を担っております。
私は大学病院の臨床検査部で技師長、病理部では副部長を経験し、2022年8月に当院臨床検査技術科の技師長として転職しました。着任時、検査室は人員不足であったため、スタッフに教示を受け、私も検査業務や当直業務を実施しました。実際に業務をしたことにより様々な問題が明確化されました。
そこで、次のような8つのアプローチで検査室の組織変革に取り組みました。①変革の緊急性・必要性の理解、②強い変革推進チームの結成、③変革ビジョンの明確化、④ビジョンの周知・共有、⑤活動しやすい環境整備、⑥短期目標の設定・成果、⑦さらなる変革の推進、⑧新しいプロセスの定着です。
見えてきた課題とは人員不足、業務効率が悪い、老朽化機器の更新が出来ない、モチベーションが低いなど多々ありましたが、実は問題の核心・本質は病院の一部門として患者に対する貢献度が低過ぎる事だと気付きました。よって、新検査室の『あるべき姿』は患者に貢献できる検査室だと確信しました。まず、短期目標を検査システム及び機器の更新とし、その過程で業務改善・協力体制を構築する事としました。時系列的には12月までにアプローチ①~⑥が進み、翌年1月に病院幹部会で提案し決裁されました。その後、変革推進チームを発足し、チームが中心となって各スタッフが発言しやすい雰囲気を作り議論が活性化する事により、その結果、スタッフが自主的に活動し始め、協力し合うようになり、7月末に短期目標を達成する事ができました。当日は病院幹部会へ提案した手法・観点、各アプローチの詳細、その後の状況を説明します。参考にして頂けると幸いです。

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