株式会社日立ハイテクサイエンス(取締役社長:伊東祐博/以下、日立ハイテクサイエンス)は、熱分析装置の新シリーズとして、世界最高レベル*1の感度とベースライン再現性*2による高精度な測定を実現した「NEXTA DSCシリーズ」を日本国内・海外向けに発売します。
【熱分析装置 NEXTA DSC】
近年、材料や素材の高機能化・複合化に伴い、基礎研究から製品開発における各種材料の機能、効果が温度変化によってどのように変化するかを明らかにする熱分析装置の熱物性評価への要求は、ますます多様化・複雑化しています。高性能化と微細化が進むエレクトロニクス製品の故障解析においては、極微量な試料の分析や成分の測定を行うため、より高精度な測定を実現する高い感度と、測定における安定性と再現性を示す高いベースライン性能が求められています。また、自動車、航空機などの幅広い分野で活用されている高機能高分子、高機能フィルムの測定においても、高分子の熱特性を精度よく計測するために、同様の性能が求められています。
そうした中、熱分析装置はプラスチック・複合材料・医薬品等の有機材料やセラミック・合金等の無機材料など幅広い分野における研究開発から品質管理、故障解析まで、さまざまな用途に活用されています。このたび発売するNEXTA DSCシリーズには、主に以下の特長があります。
NEXTA DSC600では示差熱検出(DSC信号)の温度センサである熱電対を複数本直列に接続し多重化(サーモパイル)させた自社開発サーモパイル型DSCセンサを搭載することで、0.1µW以下という高感度を実現し、より少ない試料での測定が可能となりました。サーモパイル型DSCセンサを搭載したNEXTA DSC600は、高分解能かつ、業界内でも世界最高レベルの感度を特徴としたトップエンドモデルで、より最先端の材料開発や、故障解析に最適です。またNEXTA DSC200は、高感度と安定性を備えながら、コストバランスに優れたセンサを搭載したスタンダードモデルで、より幅広い用途に使用され、製品の出荷検査や受入検査、品質保証、品質管理に適しています。
NEXTA DSC600/200は加熱部であるヒートシンクから冷却システム部に至るまでシームレスな接合技術で設計した炉体構造と、低熱容量の金属製3層構造壁を採用しました。この構造によって、電気冷却システムにおける-50~300℃の測定範囲において世界最高レベルの安定性を示すベースライン再現性±5µWを実現し、高い精度で微量成分での熱物性を明確に検出できるようになりました。
試料観察熱分析Real Viewは、200万画素の高解像カメラを搭載することで試料内の局所的な観察にも対応しており、ビューポート(観察窓)にはヒートアップ機構を採用したことで、従来の観察可能範囲が室温以上であった測定範囲を-50℃の低温領域にまで拡張しました。これにより、低温領域における試料の融解やガラス転移*3などの過程を観察することが可能となり、幅広い測定へのニーズに応えています。
日立ハイテクサイエンスは、日立ハイテクグループの一員として、「分析技術」をベースにバイオ・メディカル分野、安心・安全分野などでお客様の先端ニーズをいち早く捉え、専用市場に特化したソリューション創出とワールドワイドでの事業拡大をめざし、今後も個別化・高度化するお客様の課題にフォーカスした装置を開発・提供してまいります。
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