-部品サプライヤーの含有化学物質管理業務効率化に貢献-
株式会社日立ハイテクネクサス(取締役社長:小熊 肇/以下、日立ハイテクネクサス)は、このたび、製品に含有される化学物質管理の効率化および負担軽減に貢献できるサブスクリプション型のクラウドサービス「chemNEXT」をサプライヤー向けに提供開始いたします。本サービスの提供を通じて、日立ハイテクネクサスは環境負荷低減につながる持続可能な社会の実現に貢献いたします。
【含有化学物質管理サービスchemNEXT 概要】
欧州でRoHS指令*1・REACH規則*2などの化学物質の含有規制が強化される中、含有化学物質情報の正確かつ迅速な調査と保証書作成が、製造業各社には厳しく求められるようになっています。特にREACH規則の改正に伴い、2021年1月以降、製品に含まれる高懸念物質(SVHC*3)の情報を欧州化学品庁(ECHA*4)が構築するSCIP*5データベースに登録することが義務付けられました。それに伴い、今後は含有化学物質の成分データを高い精度で管理し、提出することが求められます。
このような状況下、最終製品メーカーに部品を供給するサプライヤー各社では、顧客からの調査依頼が増え、化学物質情報の管理にかかる負担はますます重くなることが予想されます。一方で、化学物質情報の提供は部品取引に付帯する必須業務にもかかわらず、サプライヤー各社における積極的なIT投資が出来ずに手作業を強いられているケースが多く、省力化が課題です。また、現状では化学物質管理業務に特化したアプリケーションは少なく、普及も進んでいません。そのため、含有化学物質の管理業務を最小限の人員で効率的に管理したいというニーズは増えています。
こうしたニーズに応えるべく、日立ハイテクネクサスは長年にわたる取引先との取引実績と化学物質管理で得た経験を活かし、含有化学物質の環境調査依頼から調査回答までの一連の業務における課題を解決するため、「chemNEXT」を立ち上げ、サービスの提供を開始いたします。
「chemNEXT」は、含有化学物質情報のデータ保管・進捗管理を支援するサブスクリプション型のクラウドサービスとして、サプライヤー各社の管理業務を一気通貫でサポートし、工数削減に貢献します。本サービスは、クラウドサーバー上のデータベースで情報を一元管理できるため、これまで複数ツールを用いて属人化されていたデータ保管・検索・履歴確認などの管理業務を効率化します。また、仕入先各社へのデータ請求を一括で行い、作業の進捗状況を可視化したことで、煩雑とされてきた調査依頼やデータ回収などの業務を簡素化します。さらに、過去に提出したBOM*6(部品構成表)情報を流用登録して管理しているため、顧客へ提出する同一または類似の型式製品のデータ作成業務を省力化します。
2015年に経済産業省が電気・電子業界向け化学物質情報のデータ作成支援ツールとして「chemSHERPA」を導入しましたが、「chemNEXT」は「chemSHERPA」との親和性も高く、含有化学物質データを適切に管理・保管しているため、最終製品メーカーへのデータ提供を容易に実現できます。
こうした機能やサービス提供体制を通じて、「chemNEXT」は製造業各社の川上から川下までのサプライチェーンにおける含有化学物質情報の伝達を円滑化し、管理の適正化に貢献します。
日立ハイテクネクサスは、現場で培ってきた営業力とデジタル技術によるソリューションを通じて、お客様の産業分野における課題を解決し、社会・環境価値の創出に取り組んでまいります。今後も、環境に配慮した製品・技術・サービスを通じて、環境との調和を図り、持続可能な社会の発展に貢献します。