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蛍光X線膜厚計FT230の販売を開始

装置の操作性を向上し、めっき被膜の膜厚測定効率化に貢献

2022年8月31日

株式会社日立ハイテク

【蛍光X線膜厚計FT230】
【蛍光X線膜厚計FT230】

 株式会社日立ハイテクサイエンス(以下、日立ハイテクサイエンス)は、このたびHitachi High-Tech Analytical Science Ltd. (本社:英国 / 以下、日立ハイテクアナリティカルサイエンス)が製造する卓上型蛍光X線膜厚計の新製品FT230(以下、本製品)を、日本、韓国、台湾、およびアセアン地域向けに販売開始いたします。
 蛍光X線膜厚計は、半導体や電子部品の他、自動車部品や金属関連などの幅広い分野における製品の受入検査、工程管理、最終品質管理などの場面で、主に金属被膜の膜厚を測定するために用いられる装置です。日立ハイテクサイエンスは、本製品の提供を通して装置の操作性向上を実現し、品質管理現場における膜厚測定の効率化に貢献していきます。

本製品開発の背景

 蛍光X線膜厚計は、特別な前処理を必要とせず、非破壊で多層の金属膜を同時に測定可能な装置として、自動車部品や金属の合金めっきの他、電子部品やプリント基板の薄膜検査など、幅広い分野の製品検査現場において活用されています。一方、こうした検査においては、試料の測定条件選択や測定位置決めから、測定結果の取得までに時間を要する場合も多く、製品検査の現場における測定作業の効率化が求められています。

本製品の概要

 今回、販売を開始するFT230は、測定で最も時間がかかり複雑な部分である測定条件の各種設定を短縮し、簡素化するためのさまざまな設計が施されています。また、高分解能半導体検出器(SDD*1)搭載により、最大5層の金属被膜の厚み測定が可能であることに加え、RoHS*2のような特定有害物質の使用制限に関する法規制に準拠した部品のスクリーニングや、めっき液、金属合金を含む材料組成分析などにも対応しています。
 本製品の主な特長は、以下の通りです。

【主な特長】

1.スマートかつシンプルなインターフェイスによる操作性の向上

 FT230は、SmartLink、X-ray Station*3などで培った40年以上の経験とユーザーからのフィードバックに基づき、新たに設計されたソフトウェアFT Connectを搭載した最初の製品です。
 FT Connectのインターフェイスは、ユーザーが操作しなければならないアイコンやオプションで埋め尽くされておらず、測定試料の表示や分析結果を明確に表示するなど、重要な表示要素を優先しています。これにより、試料の位置を正しく特定し、結果に対して迅速に対応することが容易になります。

2.Find My PartTM搭載による測定条件の最適化

 FT230は、新たに開発された画像認識機能であるFind My PartTMを有しています。これにより、分析時の設定において最も煩雑でエラーを起こしやすい測定条件の設定において、適切なレシピが自動的に選択されます。Find My PartTMを用いることで装置が測定位置と条件を決定し、測定結果やレポート作成等、一連の測定をサポートします。搭載された測定条件のデータベースであるユーザーライブラリは簡単に拡張することができ、作業の変化に応じて新しい部品や新しいルーチンを追加することができます。

3.ワイドな試料表示による視認性の向上

 分析のための試料を設定する際に手間がかかる作業の一つは、試料上の適切な領域を探すことですが、FT230は業界内で最も大きな画像表示機能を有しています。モニター画面の大部分に試料が表示されるため、ユーザーは表面の特徴をより容易に確認することができ、分析のための適切な領域をピンポイントで特定することが可能です。
 さらに、FT230には広視野カメラのオプションがあり、例えば大型の回路基板や電子部品など似たようなパターンが並んでいる試料であっても、特定の領域をより迅速かつ容易に確認できます。2台のカメラを併用することで、1つの試料の測定部位をすばやく切り替えたり、ステージ上の複数の試料の測定部位を切り替えたりすることができ、細部を「見失う」ことなく測定できます。

 なお、日立ハイテクサイエンスは、2022年9月7日(水)から9日(金)まで、幕張メッセ国際展示場(千葉県)で開催される「JASIS2022」において、本装置の展示を行う予定です。

 日立ハイテクサイエンスは、幅広い分野における研究・開発、品質管理業務を支え、人々のQoL向上に貢献していきます。今後も、日立ハイテクグループは、「解析・分析」のコア技術を磨きあげ、注力市場における専用計測・検査ソリューションの創出をめざし、「環境・レジリエンス・安全安心」の分野における社会課題解決に貢献していきます。

*1
SDD:Silicon Drift Detectors。シリコンドリフトX線検出器。
*2
RoHS:「Restriction of the use of certain Hazardous Substances in electrical and electronic equipment」の略。電気、電子機器における特定有害物質の使用制限に関する欧州の法令。
*3
SmartLink、X-ray Station:従来の蛍光X線膜厚計で採用されていたユーザーインターフェース。

日立ハイテクについて

 日立ハイテクは、2001年、株式会社日立製作所 計測器グループ、同半導体製造装置グループと、先端産業分野における専門商社である日製産業株式会社が統合し、誕生しました。2020年、日立製作所の完全子会社となり連携を強化していくことで、社会課題解決に貢献し、持続可能な社会の実現をめざしています。
 医用分析装置、バイオ関連製品、分析機器、半導体製造装置、解析装置の製造・販売に加え、社会・産業インフラ、モビリティなどの分野における高付加価値ソリューションの提供を通して、グローバルな事業展開を行っています(2022年3月期日立ハイテクグループ連結売上収益は5,768億円)。
 詳しくは、日立ハイテクのウェブサイトをご覧ください。

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株式会社日立ハイテクサイエンス XR営業部 [担当:荒田]
〒105-6411東京都港区虎ノ門1-17-1虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー
電話:080-1172-7021(直通)

以上

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