2024年2月7日
シスメックス株式会社
株式会社日立ハイテク
シスメックスと日立ハイテク、新たな遺伝子検査システムの共同開発に向けて合意
シスメックス株式会社(本社:神戸市、代表取締役社長:浅野 薫)と株式会社日立ハイテク(本社:東京都港区、代表取締役 取締役社長:飯泉 孝、以下「日立ハイテク」)は、2023年8月に新たな遺伝子検査システムの開発に向けてフィージビリティ・スタディ(以下「FS」)契約を締結し、共同研究を推進してきました。このたび、FSの成果にもとづき両社で協議を重ねた結果、キャピラリー電気泳動シーケンサー(以下「CEシーケンサー」)※1を基盤とした遺伝子検査システムの開発に向けて両社が合意したことをお知らせします。今後両社は、臨床実装に向けて、低コストかつ効率化を実現した遺伝子検査システムを開発し、疾患毎に最適な遺伝子検査の普及をめざします。
近年、遺伝子検査領域において、次世代シーケンサー(NGS)※2の技術を用いた検査試薬の開発が活発に行われている一方で、検査時間の短縮やランニングコストの低減などの課題があり、臨床現場で広く普及可能な新たな遺伝子検査システムの開発が求められています。
シスメックスと日立ハイテクは、臨床現場の課題解決に向けて、日立ハイテクのCEシーケンサー技術と、シスメックスがこれまでゲノム医療の社会実装で培ったNGSの試薬開発や解析技術のノウハウを融合することで、疾患毎に最適な遺伝子解析を可能とする新たな遺伝子検査システムの開発の可能性を検討するため、2023年8月にFS契約を締結し、両社で共同研究を推進してきました。
このたび、FS契約にて定めたチェックポイントを両社が達成し、次のステップとして、臨床実装のための遺伝子検査システムの共同開発に向けて合意しました。日立ハイテクはCEシーケンサーの医療機器としての承認取得を推進し、シスメックスはその医療機器に適用する検査試薬の開発および薬事承認取得に加えて、解析ソフトウェアの開発を推進します。本遺伝子検査システムは、最初にがん領域での臨床実装に取り組み、順次、疾患領域の拡大をめざします。
両社は互いの技術・ナレッジを最大限に活用することで、検査時間の短縮やランニングコストの低減を可能とする新たな遺伝子検査システムの普及をめざします。
【参考】両社のゲノム医療の社会実装に向けた取り組み
シスメックス:
患者さん一人ひとりに最適な医療を支える価値の高い検査・診断技術の創出に取り組んでおり、個別化医療の実現に向けて、がんゲノムプロファイリング検査用システムや遺伝性網膜ジストロフィ遺伝子パネル検査システムの国内初薬事承認および保険適用を受けるなど、ゲノム医療の社会実装にグループ一体となって推進しています。
日立ハイテク(ヘルスケア事業):
最先端の「分析・自動化技術」とデジタルの融合によりヘルスケア領域に新たな価値を提供しています。血液などの検体を分析し疾患の診断をサポートする体外診断装置、ゲノム医療に貢献するDNAシーケンサーをはじめとした製品ラインアップを揃え、検査の高品質化と高効率化に貢献しています。また、分子診断事業への参入により「個別化医療」、「難病診断の高度化」で人々のQoL向上、「がんなどを恐れることのない社会」をめざしています。
※1
キャピラリー電気泳動シーケンサー:
DNAの塩基配列や塩基長を短時間かつ比較的安価に分析できる解析装置。個々のDNAの違いを分析する医療・健康分野や犯罪捜査のためのDNA鑑定などに幅広く利用されています。
※2
次世代シーケンサー(NGS):
遺伝情報を持つDNAの塩基およびこの配列を、同時並行で大量に読み取る解析装置。
シスメックス株式会社について
シスメックスは、グループ企業理念「Sysmex Way」において「ヘルスケアの進化をデザインする。」をミッションに掲げています。1968年の創立以来、血液や尿などを採取して調べる検体検査分野を中心として事業を展開し、現在は190以上の国や地域で、人々の健康を支えています。長期ビジョン「より良いヘルスケアジャーニーを、ともに。」のもと、一人ひとりの生涯にわたるヘルスケアの旅路「ヘルスケアジャーニー」がより良いものになるよう、検体検査領域でのさらなるイノベーション創出に加え、新たな領域にも挑戦しています。シスメックスは、独自のテクノロジーとソリューション、さらにはさまざまなパートナーとの協創を通じて新たな価値を提供し、健康で長生きしたいという人々の普遍的な願いに寄り添います。シスメックスの詳細については、シスメックスのウェブサイトをご覧ください。
株式会社日立ハイテクについて
日立ハイテクは、2001年、株式会社日立製作所 計測器グループ、同半導体製造装置グループと、先端産業分野における専門商社である日製産業株式会社が統合し、誕生しました。2020年、日立製作所の完全子会社となり連携を強化していくことで、社会課題の解決に貢献し、持続可能な社会の実現をめざしています。
医用分析装置、バイオ関連製品、半導体製造装置、分析機器、解析装置の製造・販売に加え、社会・産業インフラ、モビリティなどの分野における高付加価値ソリューションの提供を通して、グローバルな事業展開を行っています(2023年3月期日立ハイテクグループ連結売上収益は6,742億円)。
詳しくは、日立ハイテクのウェブサイトをご覧ください。