2024年5月28日
株式会社日立ハイテク
大型かつ重量のある試料をナノレベルまで観察可能な高分解能ショットキー走査電子顕微鏡「SU3900SE」「SU3800SE」シリーズを発売
高分解能ショットキー走査電子顕微鏡「SU3900SE」(左)、「SU3800SE」(右)
株式会社日立ハイテク(以下、日立ハイテク)は、大型で重量のある試料をナノレベルまで高精度かつ効率的な観察を可能にした高分解能ショットキー走査電子顕微鏡「SU3900SE」「SU3800SE」シリーズ(以下、本シリーズ)を発売します。
本シリーズにおいては、観察可能な試料の重量について最大5 kgを実現しました。また、日立ハイテクのSEM*1のラインアップにおける最大クラスの試料ステージを搭載することで、直径300 mm、高さ130 mmの大型試料の観察にも対応可能になり、試料の切断などの加工にかかる工程を削減し、効率的な観察業務にも貢献します。さらに、大型かつ重量のある試料の観察を可能にしながら、ステージの5軸(左右、前後、上下、傾斜、回転)可動も両立し、立体観察を実現します。
また、分割撮影した画像をつなぎ合わせて試料全体を把握するカメラナビゲーション機能を搭載することで、大型試料の観察における視野探し*2をサポートし、操作性向上に寄与します。
*1 SEM (Scanning Electron Microscope):走査電子顕微鏡
*2 視野探し:計測開始時に、現在計測している位置を把握する作業
本シリーズ開発の背景
SEMは物質表面の微細構造を観察する装置として、ナノテクノロジーやバイオテクノロジーをはじめ、あらゆる産業分野において、研究開発から製造・品質管理まで幅広く利用されています。中でも、より高倍率な観察が可能な高分解能ショットキー走査電子顕微鏡(FE-SEM)は、微小粒子の観察や微小異物の観察・元素分析など活用のニーズが高まっています。
鉄鋼などの工業材料や自動車関連部材といった大型で重量のある試料の観察においては、SEM内の試料ステージに搭載できる試料の大きさや重量に制限があり、観察前に試料を切断するなどの加工が必要で観察業務の負担になっています。また近年では、各種材料の高機能化や高性能化を図るための微細構造の制御、製品品質向上を図るための異物・不良解析などにもSEMの活用の頻度が高まっています。そのため、大量のデータ取得の効率化や広域観察時の視野探しの簡便化など、操作性のさらなる向上によるユーザーの負担軽減も求められています。
主な特長
(1)大型・重量試料の広域観察
大型かつ重量な試料の観察にも対応可能なステージにより、日立ハイテクのSEM大型機として最大クラスである、直径300 mm、高さ130 mm、重量5 kgの試料サイズまで観察対応可能になりました。また、大型かつ重量のある試料の搭載と5軸可動を両立します。
(2)光学カメラ像を用いた簡便な広域移動
ステージ可動範囲全域をカバーする光学カメラを用いたナビゲーションシステムにより、試料位置を容易に把握できます。また、ステージの回転に対応して光学カメラも追従可能なため、試料位置の移動も容易で、SEM画像での観察もスムーズに実施可能です。
(3)大量データ取得時のユーザー負担軽減
オプション機能「EM Flow Creator」を搭載することで、倍率やステージ位置などの条件設定、フォーカスやコントラストなどの調整機能をニーズに応じて組み合わせ、一連の観察レシピを作成します。作成したレシピを実行することで自動観察が可能になり、連続画像取得時のユーザーの操作負担軽減と省力化をサポートします。
本シリーズは、2024年7月28日(日)から8月1日(木)まで、アメリカ(クリーブランド)で開催される「Microscopy & Microanalysis」、9月4日(水)から9月6日(金)まで、幕張メッセ国際展示場(千葉県)で開催される「JASIS 2024」において実機展示を行う予定です。
日立ハイテクは今後も、「解析・分析」のコア技術を磨きあげるとともに、お客さまの課題解決のためのソリューションのプラットフォーム化・専用装置化に取り組み、「環境・レジリエンス・安全安心」の分野における社会やお客さまの課題解決に貢献していきます。
「SU3900SE」「SU3800SE」の仕様
SU3900SE | SU3800SE | |
---|---|---|
最大試料寸法 | Φ300 mm | Φ200 mm |
最大観察可能範囲 | Φ229 mm | Φ130 mm |
最大搭載可能重量 | 5 kg | 2 kg |
最大搭載可能高さ | 130 mm | 80 mm |
製品紹介ウェブサイト
日立ハイテクについて
日立ハイテクは、医用分析装置、バイオ関連製品、放射線治療システム、半導体製造装置、分析機器、解析装置などの製造・販売に加え、モビリティ、コネクテッド、環境・エネルギーなどの産業分野における高付加価値ソリューションの提供を通して、幅広い事業領域においてグローバルな事業展開を行っています(2024年3月期日立ハイテクグループ連結売上収益は6,704億円)。強みである「見る・測る・分析する」というコア技術をベースに、事業を通してさまざまな社会課題解決および持続可能な社会の実現に貢献していきます。
詳しくは、日立ハイテクのウェブサイトをご覧ください。
お問い合わせ先
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CTシステム営業本部 グローバル営業企画部 [担当:振木]
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