小型キャピラリー電気泳動シーケンサー DS3000
手軽に使えて小型で便利なDNAシーケンサー
DS3000は、「直観的で使いやすいタッチパネルスクリーン」「消耗品は装置内部に設置しやすいカートリッジ方式」「設置スペースを節約するコンパクトなデザイン」など、さまざまな特長があります。手軽に、短時間でシーケンシング解析とフラグメント解析を行うことができます。
価格:お問い合わせください
取扱会社:株式会社 日立ハイテク
特長
直観的で使いやすいタッチパネルスクリーン
タッチパネル式GUIを搭載し、省スペース化と操作性の向上を実現しました。ひと目で状況を確認でき、測定までのプロセスをシンプルにしたことで、手軽に遺伝子解析を行うことができます。
使いやすさと操作性を第一に考えたフラットデザインなタッチパネルスクリーンとなっています。
メイン画面は測定、結果確認、メンテナンス、プロトコルの4つから構成されており、ワンタッチで詳細画面を表示することができます。
装置内に設置しやすいカートリッジ方式
装置内部に設置する消耗品はどなたでも容易に設置可能なカートリッジ方式を採用しています。
メンテナンス頻度の低減
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ポンプ洗浄不要
耐久性の高いシール可動式のシリンジ式ポリマーカートリッジを開発し、送液機構をポンプレス化することで、ポンプのメンテナンスが不要になりました。
また新システムの搭載により、ポリマーの種類を変更するときの時間短縮・コスト削減を実現しました。 -
気泡除去不要
独自のポリマーインジェクション方式を採用することで、ポリマー充填時の気泡除去が不要となり、無駄なポリマー消費を低減させました。 -
光源交換頻度低減
レーザーダイオード光源のアナログパルス信号制御により、測定時のみ点灯するため、実点灯時間が短く、煩雑で高価な光源(Arガスレーザー光源)と比較して、長寿命化を可能にしています。
設置スペースを節約するコンパクトなデザイン
DS3000はタッチパネル式GUIを搭載することにより、設置面積を大幅に削減しました。
幅400×奥行600×高さ600 mmというコンパクト省スペースを実現しています。
ユーザーの利便性向上
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遠隔モニタリングシステム搭載
遠隔モニタリングシステムを搭載することにより、Webブラウザ上から装置状況のモニタリング、アッセイ条件の設定、解析結果の表示ならびに、レポート生成などを行うことが可能になります。「離れた場所からの装置へのアクセス」を可能にすることよって利便性の向上、効率的なワークフローを実現します。 -
お持ちの汎用PC活用による導入コスト低減
ユーザーが利用しているネットワークに接続することができ、汎用PCによるレポート出力や二次解析ソフトウェアなどを流用することができ、導入コストを低減することができます。
測定例[シーケンシング解析]
読取塩基長
Standard SequencingモードでBigDye® Terminator v3.1 Sequencing Kitを用いてシーケンシング解析を行いました。
波形データから、500 bp付近でも高い分離能とQV値を維持していることが確認できました。DS3000では、性能保証温度(15 – 30 ℃)内において、読み取り塩基長600 bp以上(Fast Sequencing)もしくは700 bp以上(Standard Sequencing)を保証しています。
測定例[フラグメント解析]
コントロールHID
200 pgの2800 MコントロールDNAをPowerPlex™ Fusion 6C Systemで増幅し、Promega® 6 dye system対応の泳動モジュールで分析を行いました。得られた蛍光色素の時系列データ(fsaファイル)を二次解析ソフトであるGeneMarker HID で読み込んで遺伝子型を描画しました。
* 波形画面はGeneMarker HID(SoftGenetics社製別売り)を用いて表示したものです。
アプリケーション (テクニカルレポート)
キャピラリー電気泳動シーケンサーのアプリケーションをご案内します。
詳細は、会員制サイト「S.I.navi(エスアイナビ)」にて、ご覧いただけます(登録無料)。
シートNo. | 内容 | 発行日 |
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HTB-DS-J016 |
DS3000 Compact CE Sequencerにおける微生物同定の実例
微生物の進化の歴史はリボソームRNA(rRNA)に記録されており、この記録をもとに系統発生的に区分する手法が採用されています。第18改正日本薬局方では、キャピラリシーケンサーを用いた微生物同定解析手法が示されています。その手法は、細菌については16S rRNAの高度可変領域の一部、真菌については18S rRNAと5.8S rRNA間のスペーサー領域(ITS1)の遺伝子配列を自動解析し、データベースと照合することによって微生物を同定又は推定する方法です。 ここではDS3000 Compact CE Sequencerを用いて、身近に存在する微生物を対象とした同定の実例を2つ紹介します。 |
2024/1/16 |
HTB-DS-J014 |
DS3000 Compact CE Sequencerを用いたGC-rich配列の解析例
グアニン(G)とシトシン(C)を多く含む配列(GC-rich配列)は、転写制御領域などゲノム上の機能的に重要な位置に多く見られます。GC-rich配列ではポリメラーゼの伸長反応が阻害され、PCRやサイクルシーケンス反応で目的の産物が得られないことがあります。 グアニン-シトシンは、アデニン-チミンよりも安定した塩基対を形成するため、2本鎖DNAがうまく解離しないことが原因と考えられています。そこで、DNA鎖の解離を促進する添加剤(PCR添加剤)を加えることがあります。代表的なPCR添加剤としてホルムアミド(FA)やベタインがあります。 GC-rich配列を用いて、FAとベタインの濃度、および添加するタイミングの検討結果を紹介します。 |
2023/6/29 |
HTB-DS-J013 |
DS3000 Compact CE SequencerにおけるMLPA解析の実例
MLPA🄬法(試薬製造元:MRC Holland、試薬国内販売代理店:(株)ファルコバイオシステムズ)は、コピー数変化(欠失/重複:CNV)、既知SNP、メチル化度合を解析する方法として知られています。標的遺伝子に特異的にハイブリダイズする塩基配列が、MLPAプローブ内に設計されており、ハイブリダイゼーション、ライゲーション、PCRを経てキャピラリ電気泳動により変異を解析します。ここでは、DS3000 Compact CE Sequencer(以下、DS3000と表記します)を用いたMLPA🄬解析の実例を紹介します。 |
2023/5/19 |
HTB-DS-J012 |
DS3000 Compact CE Sequencerの新機能を用いたSNaPshot🄬解析
DS3000 Compact CE Sequencer(DS3000)に新機能を追加しました。新しいDS3000では、分析に用いる蛍光色素やサイズスタンダードをカスタマイズできるようになり、より多くの試薬キットをお使いいただけるようになりました。新機能の実例として、これまでのDS3000で対応していなかった蛍光色素セットを用いてSNaPshot🄬(Thermo Fisher Scientific)を実施しました。SNaPshot🄬は、一塩基伸長反応を用いてプライマーに隣接する塩基を同定する技術です。各反応産物の泳動速度を変化させることで、複数のSNPを同時に検出することが可能です。ここでは、DS3000の新機能を用いて、6か所のSNPを一度に検出しました。 |
2023/2/15 |
HTB-DS-J010 |
DS3000 Compact CE Sequencerを用いた次世代シーケンスデータの確認
次世代シーケンスで検出されたゲノム上の突然変異(以下、NGSバリアントと呼びます)は、分析の簡便さからサンガーシーケンスで確認されることがあります。ここではDS3000 Compact CE Sequencer(以下、DS3000と略します)を用いて、NGSバリアントを解析した実例を紹介します。 |
2022/04/28 |
HTB-DS-J009 |
DS3000 Compact CE SequencerとMutation Surveyorを用いた低頻度変異の検出
低頻度変異は細胞集団のごく一部で確認される突然変異です。がんの発生や進行の原因となることがあるため、がん研究における有用性が認められています。低頻度変異に由来するシグナルは、サンプルの大多数を占める野生型DNAのシグナルに埋もれてしまいます。そのため低頻度変異の検出には特に高い感度と精度が要求されます。このレポートではDS3000 Compact CE Sequencerを用いた変異検出の一例を紹介します。 本製品は研究用であり、薬事法に基づく医療機器として承認・認証等を受けた機器ではありません。診断目的およびその手続き上での使用はできません。 |
2022/02/03 |
HTB-DS-J008 |
DS3000 Compact CE Sequencerを用いたバイサルファイトシーケンスの実例
DNAを構成する4つの塩基中、シトシンの5位炭素原子はメチル基転移酵素の働きによりメチル化されることがあります。シトシンのメチル化は遺伝子発現制御をはじめとして、ゲノム上のさまざまなイベントに重要な役割を持ちます。メチル化されたシトシンを一塩基単位で解析する手法として、バイサルファイトシーケンスがあります。このレポートではDS3000Compact CE Sequencerを用いたバイサルファイトシーケンスの実例を紹介します。 |
2022/02/03 |
HTB-DS-J007 |
DS3000 Compact CE Sequencerを用いた細胞認証の実例
細胞株の誤認や汚染は、実験結果とその解釈に大きく影響します。そのため、細胞認証を定期的に実施して、外来細胞の混入や置換がないことを確認することが推奨されています。このレポートではDS3000 Compact CE Sequencerを用いた細胞認証の実例を紹介します。 |
2022/02/03 |
HTB-DS-J006 |
DS3000 Compact CE Sequencer におけるサンプル注入条件と泳動性能の検証
DS3000 Compact CE Sequencer(以下、DS3000)では、陽極とDNA溶液の間で電位差を発生させることで、負に帯電するDNA分子をキャピラリー内に注入しています。このとき、サンプル注入電圧やサンプル注入時間は注入されるDNA量やピークの分離性能に大きく影響します。ここではさまざまなサンプル注入条件を設定し、それぞれにおけるデータの品質を報告します。 |
2022/01/31 |
HTB-DS-J005 |
Polymer 7のフラグメント分析性能
DS3000 Compact CE Sequencerでは、実験の目的に応じて2種類のポリマーを使い分けることが可能です。この内Polymer 7は、主にDNAシーケンシングに使用されますが、フラグメント解析にもお使いいただけます。ここでは、GenePrint🄬24 System(Promega🄬社)をモデルにPolymer 7のフラグメント分析性能を検証いたしました。 |
2021/12/06 |
HTB-DS-J004 |
DS3000を用いた貝類アレルゲンの検出
食品アレルギーは成人の1-3 %、小児の4-6 %に発生し、生命を脅かす重篤な症状を示すことがあります。そのため、アレルゲンの検出と表記は、食の安全を維持する上で重要な課題として知られています。アレルゲンはELISAなどを用いて検出する方法が一般的ですが、感度、コスト、取扱いの簡便さなどの観点から、PCRを用いた間接的な検出が行われることがあります。ここでは、貝類を始めとする軟体動物に広く存在する、トロポミオシン遺伝子を標的に、multiplex PCRとキャピラリー電気泳動を組み合わせた高感度アッセイ(フラグメント解析)を紹介します。 |
2021/10/20 |
HTB-DS-J003 |
DS3000を用いたマイクロサテライト不安定性分析の紹介
マイクロサテライト不安定性(MSI)はマイクロサテライト領域と呼ばれる反復配列上で生じる突然変異であり、ミスマッチ修復酵素の異常を予測するバイオマーカーとして知られています。MSIの分析は、一塩基単位で分布するシグナルを検出、比較する必要があるため、サイジングの精度や再現性に高い性能が要求されます。ここではMSI分析の一例として、DNA抽出からデータ解析までの一連のフローを、市販のパラフィン包理切片を用いて紹介します。 |
2021/10/20 |
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技術機関誌 SI NEWS(エスアイニュース)
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DS3000の記事のご案内です。
ポリマーをほとんど廃棄しないDNAシーケンサーを用いた、東北大学との共同研究レポート
・DS3000 Compact CE DNA Sequencerを用いたゲルシフトアッセイ
東北大学大学院 生命科学研究科 微生物遺伝進化分野 准教授 大坪 嘉行 博士(農学)
関連情報
SI NEWS(エスアイニュース)は、1958年の創刊以来、多くの皆さまにご愛読いただいております。
弊社製品を使用した社内外の研究論文、技術情報、アプリケーションおよび新製品紹介を掲載、公開しております。
SNS
仕様
■本体仕様
項目 | 内容 |
---|---|
キャピラリー数 | 4 本 |
キャピラリー長 | 36 cm |
サンプルトレイ | 8連チューブ×4 |
装置制御 | タッチパネルPC |
同時検出 | 6 色 |
アプリケーション | シーケンシング解析/フラグメント解析 |
サイズ | 400(W)×600(D)×600(H)mm |
重量 | 45 kg |
性能保証温度 | 15 – 30 ℃ |
性能保証湿度 | 20 – 80% RH(結露しないこと) |
電源 | 100 – 240 ±10% VAC 、50/60 Hz |
定格電力 | 260 VA |
対応二次解析ソフトウェア |
|
■ランモジュール仕様
ランモジュール | アプリケーション | ポリマー タイプ |
読取塩基長*1 (QV20 CRL) |
平均ランタイム(分) |
---|---|---|---|---|
Fast_Sequence36_Polymer7 | シーケンシング解析 | Polymer7 | ≥600 | ≤32 |
Standard_Sequence36_Polymer7 | シーケンシング解析 | Polymer7 | ≥700 | ≤60 |
BDx_Fast_Sequence36_Polymer7 | BDx シーケンシング解析 | Polymer7 | ≥600 | ≤32 |
BDx_Standard_Sequence36_Polymer7 | BDx シーケンシング解析 | Polymer7 | ≥700 | ≤60 |
ランモジュール | アプリケーション | ポリマー タイプ |
平均 ランタイム (分) |
サイジング精度*2 (50 – 400 bp) |
---|---|---|---|---|
Fragment_Analysis36_Polymer7 | フラグメント解析 | Polymer7 | ≤35 | NA |
Fragment_Analysis36_Polymer4 | フラグメント解析 | Polymer4 | ≤44 | <0.16 |
■消耗品仕様
品名 | パーツ ナンバー |
内容 | 備考 |
---|---|---|---|
Capillary Cartridge 36 cm | 613-0330 | 1個 | 保管温度: 15 – 30 ℃ |
Buffer | 613-0252 | Anode Buffer Cartridge×2個 Cathode Buffer Cartridge×2個 |
保管温度: 2 – 10 ℃ |
Polymer7 | 613-0251/613-0291 | Cartridge×4個 | 保管温度: 2 – 10 ℃ |
Polymer4 | 613-0250/613-0290 | Cartridge×4個 | 保管温度: 2 – 10 ℃ |
Septa for Cathode Buffer Cartridge | 613-7231 | 10個 | |
Retainer for Cathode Buffer Cartridge | 613-7233 | 4個 | |
Septa for 8 well tubes | 613-7230 | 24個 | |
Base and Retainer for 8 well tubes | 613-7232 | 4個 | |
Anode Electrode Assembly | 613-7263 | 1個 |
*1 読取塩基長(QV20 CRL)はBigDye® Terminator v3.1 Sequencing Standard Kit(Thermo Fisher Scientific社製別売り)を用いて検証されています。
*2 サイジング精度(50 – 400 bp)はPowerPlex™ ESI17 Fast Allelic LadderとWEN ILS 500 ESS(Promega社製別売り)を用いて検証されています。
製品安全データシート(MSDS)
* 本製品は医療機器ではありません
* BigDyeはThermo Fisher Scientific Inc.の登録商標です
* PromegaはPromega Corporationの登録商標であり、PowerPlexはPromega Corporationの商標です
関連情報
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