450kV、1MVと9MVの材質による透過力の違いのグラフに示します。透過力は、透過する材質、X線のエネルギーと検出器のダイナミックレンジで決まります。透過する材質の密度が大きいほど(グラフでは上方に行くほど密度が高い)、X線は透過しにくくなります。この透過力を超える長さの検体を撮像すると、ストリークアーチファクトが発生します。
上図は、長さ300mをもつ材質の違う試験体を、X線エネルギーの違いにより撮像した事例です。X線エネルギー9MVの場合には、SUS製試験体を十分に透過できておりアーチファクトの発生はありませんが、1MVの場合には、SUS製とTiN製の試験体で透過力が不足しておりストリークアーチファクトが発生しています。