リチウムイオン電池の製造工程は主に、リチウムイオン電池の構成要素である正極や負極の電極製造工程などを含む『原反工程』、原反工程で製造した電極の巻き取り・組み立てを含む『組立工程』、充放電やガス抜きを行う『仕上げ工程』、容量などの各項目の検査を行う『検査工程』の4つのプロセスを含むフロー図で表すことができます。
原反工程では、リチウムイオン電池の電極を製造します。正極はコバルトやニッケル、負極は炭素系材料といった活物質と有機溶剤などの材料を混合し、ペースト状にしたものを金属箔へ塗工、乾燥させたのちにローラーで圧延します。組立工程では、圧延した電極を適当な大きさに切断し、正極と負極の間にセパレータ―を挟み込んで巻き取ります。巻き取られた電極をセルと呼ばれるケースに挿入し、そこに電解液を注入します。仕上げ工程では充放電を繰り返すことで電池を活性化させ、電池内部に発生したガス抜きなどの仕上げを行います。検査工程では、完成した電池の容量や性能など各項目の検査を行い問題がないか確認を行います。
リチウムイオンバッテリー搭載製品の事故は、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE(ナイト))の2019年1月のプレスリリースによれば、5年で2倍以上に増加しました。リチウムイオン電池の製造工程に注目すると、同じくNITEが2019年に開催した令和元年度製品安全業務報告会における「リチウムイオン電池関連製品の製造と安全性」発表では、製造工程で生じた金属異物の混入や電極体の巻きズレ、内部リード線の変形などが、リチウムイオンバッテリー搭載製品使用時における異常な発熱や発火などを伴う事故の原因になり得ることが報告されました。
このような事故を未然に防ぐため、リチウムイオン電池製造で重要なポイントは二つあります。一つ目は、各工程での適切な製造装置選定により安全な構造の作りこみを実現することです。リチウムイオン電池の製造では個々の部品や部品を組み合わせたモジュールの精密さが求められるため、各工程で使用する製造装置はそれぞれの用途に合った高精度なものが必要となります。二つ目は、各工程での適切な検査・分析装置選定により異物混入などの発熱や発火の原因を早期に特定し、リチウムイオン電池の品質を確保することです。リチウムイオン電池の製造装置、検査・分析装置は、安全性確保のみならず生産性向上にも寄与するため、これら装置の選定が重要になることがお分かりでしょう。
本ページでは、以下でリチウムイオン電池の各製造工程で使用する「製造装置」を紹介しています。「検査・分析装置」について詳細を知りたい方はこちらをご覧ください。
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