車載向けスマートLEDネットワーク：ILaS
LEDライトをスマート化、快適な車室空間を提供する照明ソリューション
「ILaSトランシーバ」搭載後の車内空間（イメージ）
自動車業界は現在、自動化や電動化など様々なテーマに対する対応を迫られており、消費者ニーズも多様化しています。移動の「手段」であった自動車は、快適な時間を過ごす「車室空間」へと利用目的が変化しており、車内での様々な行動に最適化した照明システムが求められています。 世界の自動車用インテリア照明市場は拡大していき、2022年～2029年におけるCAGR（年平均成長率）は7.2%と見込まれています。1
本製品は、自動車や産業、航空業界で使用されている次世代スマートLED、ISELEDに特化した、Inova Semiconductors（以下、Inova社）製のトランシーバです。本製品やスマートLEDによって構成される「ILaSネットワーク」は、次世代車室空間における照明機能のデザイン性を格段に向上させ、乗車時における価値体験の向上を実現します。
概要
LEDライトのアドレス範囲を多く持つILaSバス（ISELED Light and Sensor network）は、コントローラ、センサー、およびイニシエータ間でより迅速な通信を低コストで実現できるため、照明用ネットワークにおいて、LINバスに取って代わる潜在的な可能性があります。本製品は、Inova社製の車載向け次世代スマートLED、「ISELED」に特化したトランシーバであり、LED配線ネットワークの簡素化、単一コントローラでのLEDライトの一括制御を実現します。
特長
ILaSは、単一のイニシエータで、複数のLEDデイジーチェーンを制御するネットワークです。照明の発光速度や色は、ECUから一括制御ができます。単一の制御ユニットで管理されているため、車両全体で照明シナリオを簡単に同期が可能です。すなわち、次世代のE/Eアーキテクチャとして注目されている、「ゾーンアーキテクチャ 2」に適した設計になっています。本製品はISELEDのセグメント化されたデイジーチェーン接続をサポートするだけでなく、シンプルなセンサーとアクチュエーターを同じネットワークに接続することも可能にします。従来の車内照明は、分散型のシステムで制御されており、照明システムのアップデートに多くの時間とコストを要していました。ILaSの搭載により、システムの更新は、ソフトウェアのアップデートのみで完了し、開発工数とコストを大幅に削減できます。
従来LED配線ネットワーク（左）と、ILaS搭載時の配線ネットワーク（右）
INLT220Q
ILaSトランシーバ（INLT220Q）
INLT220Qはアナログ信号とデジタル信号が混在した、車載照明ネットワーク向けのトランシーバです。毎秒2Mbitの高い処理能力を持ち、UTPケーブルにより複数メートルの接続を可能とします。2つのケーブル接続ポート（ISP, ESP）、ISELED接続ポート（CSP）、3つの汎用ポート（GPIOs）を有しています。それゆえ、車両全体に広がるILaSネットワークは、約4000個の個別デバイスで構成でき、本製品や、ISELED（スマートLED）、タッチセンサ間の柔軟な配線ネットワークを実現します。
仕様
「ILaSトランシーバ」に関する仕様
| 製品 | No. | サイズ／mm | ピッチ／mm | MSL | 温度 | MOQ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ILAS | INLT220Q-T INLT220Q-R5 |
5×5×0.8 5×5×0.8 |
0.65 0.65 |
3 3 |
-40℃~105℃ -40℃~105℃ |
490/Tray 5000/Reel |
[1]
Global Automotive Interior Ambient Lighting market Size Study & Forecast, by Application, by Vehicle Type, and Regional Analysis, 2022-2029.
（Bizwit Research & Consulting LLP, 2023）
[2] 車載中央コンピュータにECUを統合した集中型ネットワーク
