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カンジダ
カンジダは酵母の仲間でひとつの細胞からなる丸みを帯びた形をしています。人のからだ(皮ふ、口の中、おなかの中など)に普通に存在していて、腸内の環境を整えたり、免疫力を高めることに役立っています。酵母の仲間であるイースト菌と同じように、ひとつの細胞から芽が出て分裂して増えていきます。
人のからだにはカンジダの他にもたくさんの微生物がバランスよく生息しています。体調が悪くなるとこのバランスが崩れて、カンジダだけが偏って増えてしまい、病気の原因になることもあります。
シイタケの胞子
キノコは「カビ」と同じ「真菌」のひとつで、植物のように「種」で増えるのではなく、「胞子」で増えていきます。「胞子」が成長すると「菌糸」と呼ばれる繊維が伸びていきます。この「菌糸」1本1本がたくさん集まると、キノコの「カサ」と「柄」の部分の形ができあがります。「胞子」は、キノコの「カサ」の下側から放出されます。
この電子顕微鏡写真のシイタケの「胞子」は、普段目にするシイタケの姿とは全く違う形をしていることがわかります。
イースト菌
パンにはイースト菌が使われています。イースト菌がパン生地に含まれている糖分を分解して、アルコールと炭酸ガスを発生させる働き(発酵)のおかげで、パン生地は膨らみ、パンの風味が生まれます。イースト菌は酵母と呼ばれるひとつの細胞でできた真菌の仲間で、特にパン作りのために選ばれた菌類です。5マイクロメートル以下の丸みを帯びた形をしていて、生のもの、乾燥したもののどちらもパン作りに使われています。生のイースト菌の方が、乾燥したイースト菌と比較して、ふっくらしています。
イースト菌は、丸い体の一部から芽が出て分離することで、増えていきます。
パン作りに欠かせない粉状のドライイーストは、イースト菌を乾燥させたものです。
生のイースト菌もドライイーストも生き物ですが、ドライイーストの方が乾燥しているため、家庭で長期間保存しやすいという特長があります。
コウジカビ
コウジカビは、日本の伝統的な食品である味噌や醤油、日本酒を作るために選ばれ、利用されてきたカビです。コウジカビが「菌糸」を伸ばして成長するとき、その先端からタンパク質や炭水化物を分解する物質(酵素)を出して、大豆やお米、麦を分解します。このことを発酵といいます。大豆は発酵することで、味噌や醤油に、お米や麦はお酒へと、さまざまな発酵食品に姿を変えます。
「胞子」の大きさは数マイクロメートルと小さく、表面には細かい突起がたくさんあります。
アオカビ
オレンジなどの柑橘類に生えていた青~緑色のカビを電子顕微鏡で見てみると、「菌糸」と呼ばれる糸のようなものが、網目状に食べ物の上に張り巡らされていました。カビはこのように「菌糸」を伸ばして、食べ物から栄養を採っています。また、「菌糸」が太くなった「柄」の先端に「胞子」を作り、「胞子」を飛ばすことで仲間を増やします。
写真のアオカビでは、「柄」の先端の「胞子」は1列に並んでいて、花が開いたような形になっています。「胞子」の形は、少し平たくて真ん中がへこんでいます。
納豆菌※これは「カビ」ではないよ!
納豆に入っていた納豆菌は、枯草菌と呼ばれる細菌の仲間です。枯草菌は、土の中や植物についている細菌で、カビではありません。納豆菌はコウジカビやイースト菌と同じように、タンパク質や炭水化物を分解する物質(酵素)を作ることができます。
稲の藁で包まれた納豆では、藁に付いている自然の納豆菌が作る酵素によって大豆が発酵し、納豆ができあがります。
納豆菌の形は、長さ数マイクロメートルのきれいな楕円形をしています。
クロカビ
部屋の壁からは黒いカビを発見しました。肉眼で黒っぽく見えるクロカビは、家庭で最もよく見かけるカビのひとつです。お風呂場やキッチン、食べ物など、水分が多い場所を放っておくと、すぐにこのカビが生えてしまいます。
クロカビを拡大してみると「菌糸」から伸びた「柄」の先端に、「胞子」がたくさん集まっていることがわかります。空気中を浮遊する「胞子」は、いろいろなところに移動して仲間を増やしていきます。 クロカビと呼ばれる「カビ」にはたくさんの仲間がいるので、種類によって「柄」の先端の「胞子」のつき方や、「胞子」1個の形が違っているようです。
「カビ」の仲間は、種類によってミクロの形が違っていることがわかりました。
皆さんの身の回りでも、「カビ」の仲間を探してみましょう。
皆さんの身の回りでも、「カビ」の仲間を探してみましょう。