特集 第2回
身の周りのまねっこさん
自然の中の動物や虫、植物のなかには色々な特徴(とくちょう)や性質を持ったものがあり、その特徴の秘密(ひみつ)が「特殊(とくしゅ)な」形状からうまれている場合があります。そんな生き物の特殊な形状から着想を得て、様々な科学分野での新しい技術の開発やものづくりに活かそうとする技術をバイオミメティクスといいます。また、生物模倣技術(せいぶつもほうぎじゅつ)とも呼ばれています。
皆さんの周りにも、生き物から学んだ新しい技術を活かして作られたものがたくさんあります。その1つを見てみましょう。
ここから先は、ワークシートを見ながら問題を解いてみましょう!
(ワークシートのダウンロードをしなくても読めます。)
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- このお花、なんだか分かりますか?
- 池や沼に生息する「ハス」です。
このハスの葉っぱには水をはじく性質があります。
でも、どうして水をはじく事ができるのでしょう?どうやら、葉っぱの表面に秘密がありそうです。
想像してワークシートに
書いてみましょう!! -
それでは実際に電子顕微鏡(でんしけんびきょう)を使って、
ハスの葉っぱの表面がどのような構造をしているのか観察してみましょう!! -
ハスの葉っぱを電子顕微鏡を使って1,500倍まで拡大すると、たくさんの突起(とっき)が見えます。
この突起は葉っぱの表面にびっしりとついており、ワックスに似た物質でできています。突起がついていることで葉の表面はデコボコとなり、水が落ちてきても表面に広がることなくはじく事ができるんです。これを、「ハス効果」と呼びます。この構造こそが、ハスの葉っぱが水をはじく秘密なんです。
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この「ハス効果」からヒントを得て「物の表面に突起を作ることができれば、色々な物をはじく事ができるのではないか?」と作られた便利な道具が皆の身の回りにもたくさんあります。
どんなものがあると思いますか?お家の中にあるものもあるので、探してワークシートに記入しましょう!! -
例えば、フィルムの表面に
この様な小さな突起を
作ることにより…ヨーグルトの付かない
フタが生まれました!! -
この様に、電子顕微鏡を使う事で水をはじくハスの葉っぱの表面の形が分かり、
その形を真似したフィルムを作る事でヨーグルトが付かないフタが生まれました。 -
ちなみに…
ごはんをよそうしゃもじも、表面にデコボコがあるものはひっつかないですよね。これもヨーグルトのフタと同じで、ハスの葉の表面のように、しゃもじの表面にも無数のデコボコをつけることで、ご飯粒(つぶ)がしゃもじにつかないように加工しています。
このように、皆さんの周りにもバイオミメティクスで作られた便利な道具がたくさんあります。
いつも使っている皆さんにとって「普通(ふつう)」な物が、実はとてもすごい技術を使って作られたハイテクアイテムかもしれません!!
「どうしてこんなに便利なんだろう?」と「疑問(ぎもん)」に思うことがあったら、調べてみて下さい。もしかしたら、バイオミメティクスで作られた便利な道具かもしれませんよ。