半紙
半紙は和紙の一種です。和紙とは日本独特の紙すきと呼ばれる方法で作られた紙のことを言います。顔料を使わずに製造しているため、通気性に優れ丈夫で長持ちするのが特徴です。電子顕微鏡で半紙を拡大すると、普通紙と比べて繊維がとても長く繊維と繊維の間が大きく開いているのが分かります。
特集 第3回
あつまれ!お仲間さん
私たちの身の回りには、たくさんの「紙」があります。
ノートや半紙に年賀状にトイレットペーパー・・・。
様々な場面で、色々な用途に使われている「紙」をミクロの世界で見ると、どんな違いがあるのでしょうか。
半紙
半紙は和紙の一種です。和紙とは日本独特の紙すきと呼ばれる方法で作られた紙のことを言います。顔料を使わずに製造しているため、通気性に優れ丈夫で長持ちするのが特徴です。電子顕微鏡で半紙を拡大すると、普通紙と比べて繊維がとても長く繊維と繊維の間が大きく開いているのが分かります。
ノート
皆さんが普段使っている紙を電子顕微鏡で拡大してみると、細かい糸のようなものがたくさん見えます。
これは「パルプ」と呼ばれる植物繊維で、主に木材から作られています。このパルプに薬品、顔料などを加えて紙が作られます。
一般的なノートなどに使われる普通紙には、長短入り混じった繊維と顔料を見ることができます。
普段、なにげなく使っている紙は、実は細かい繊維のかたまりで出来ているんですね!
ノンカーボン紙
領収書などに使われるノンカーボン紙は、カーボンインキを使わずに、文字を複写できる紙です。なぜ、カーボンインキを使わずに複写ができるのか?電子顕微鏡で、その謎を探ってみましょう。
画像を見ると、繊維に丸い粒々が付着しているのが分かりました。大きい粒が緩衝材、小さい粒が特殊なインクの入ったマイクロカプセルです。このカプセルが筆圧により割れ、複写面の紙に塗られた特殊な薬品と化学反応をおこすことで、複写できる仕組みです。(図1) ノンカーボン紙には、このような物質が一面に吹き付けられていることが分かります。緩衝材は、マイクロカプセルが簡単に割れないように守る役割を担っています。
無塵紙
無塵紙とは、精密機器を扱う工場などの「塵(チリ)・ホコリ」が厳禁とされている場所(クリーンルーム)で使われる紙です。長い繊維を使ったり、顔料の使用を抑えたりして、細かい塵やホコリが出ないような工夫がされています。電子顕微鏡で見てみると、一つひとつの繊維がしっかり絡んでおり、顔料のかたまりも見えません。
折り紙:赤色
色つき折り紙は、電子顕微鏡で拡大してみると、普通紙と同じように繊維は見えますが、全体的に形が一つのかたまりのようです。色つき折り紙は、白い紙に塗料を塗って色をつけているので、その塗料が繊維に染み込んで、画像のように繊維の一本一本がはっきりと見えなくなっています。
折り紙:金色
折り紙の中には金色や銀色もあります。これも、色つき折り紙と同じで塗料を塗っているのでしょうか?
金色の折り紙を電子顕微鏡で見てみると、なんと繊維が全く見えません。折り紙の金色は白い紙の上にアルミ箔を貼り付け、その上に黄色いセロファンを貼り付けて色を出しています。普通紙の上に、色々なものが重なっているので、他の色つき折り紙と違って繊維が見えないのです。
年賀はがき(インクジェット紙)
インクジェット方式の印刷に適した専用紙。インクジェット方式はインクをとても小さくしてスプレーのようにふきかけて印刷する技術。専用紙を使うことで色が鮮明に仕上がります。500倍まで拡大しても繊維は見えず、小さな砂の粒のようなものが見えます。これはインクがより染み込むように特殊なコーティングが施されているからです。凸凹の隙間にインクが染み込むことで綺麗に印刷ができます。
年賀はがき(写真用インクジェット紙)
写真用インクジェット紙とインクジェット紙との見た目の違いは光沢があるかないかです。光沢があると現像した写真のように印刷ができます。電子顕微鏡で写真用インクジェット紙を拡大すると繊維は見えません。インクジェット紙のような凸凹も見られず、板のように平らなのがわかります。これは光沢を出すために繊維の上から塗料を塗っているためです。