特集第9回
宇宙の神秘、隕石を集めよう!
みなさんの知らないところで、地球には、宇宙からたくさんの隕石が落ちてきています。
隕石の正体は、宇宙を漂う小惑星です。
良く知っている惑星からきた隕石もあるかもしれません。
今回は、隕石を探しながら、隕石に秘められた宇宙の神秘に、
電子顕微鏡で迫りましょう。
地球に落下する隕石の大部分は、ケイ酸塩鉱物という岩石からできた石質隕石です。直径 0.1~10㎜程度の球状の粒子(コンドリュール)を含むものをコンドライト、含まないものをエンコンドライトといいます。
- サハラ砂漠で発見された石質隕石 NWA869隕石
(断面) - NWA869隕石の粒子の電子顕微鏡画像(600倍)
主な成分が金属(鉄とニッケルの合金)でできた隕石です。鉄隕石は、地球上では起こらないような強い衝撃とゆっくりとした冷却期間によって、金属の結晶構造が特別な形に変形しているので、表面を磨くと三角形や平行四辺形の縞状の模様(ウィドマンシュテッテン構造)が見られることがあります。
- ギベオン隕石(断面)
- ギベオン隕石の電子顕微鏡画像(600倍)
石鉄隕石には、岩石(ケイ酸塩鉱物)と金属(鉄-ニッケル合金)が混ざっています。
石質隕石や、鉄隕石と比べると、地球上でみつかっている数が非常に少ない隕石です。
- ロシア連邦で発見された SEYMCHAN隕石(断面)
- SEYMCHAN隕石の電子顕微鏡画像(600倍)
火星から宇宙をめぐり、地球に落下した隕石です。
火星に天体が衝突した時に吹き飛ばされた破片と考えられています。
- 2000年にオマーン国で見つかった火星隕石(断面)
(Dhofar19隕石) - 火星隕石の電子顕微鏡画像(600倍)
月から宇宙をめぐり、地球に落下した隕石です。
月に天体が衝突した時に吹き飛ばされた破片と考えられています。
- 2001年にオマーン国で見つかった月隕石(断面)
(Dhofar461隕石) - 月隕石の電子顕微鏡画像(600倍)
石質隕石の中でも、水や炭水化物といった有機物を多く含む特別な隕石を炭素質コンドライトと呼びます。
生命の起源に関する謎を解く鍵として、注目されている隕石です。
- 1969年にメキシコ合衆国に落下した隕石(アエンデ隕石)
- アエンデ隕石の電子顕微鏡画像(600倍)