半導体の部屋
半導体とは
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最近注目の半導体
今日では、新素材の採用や技術革新により、小型化・省電力化をさらに推し進めるデバイスやシステムが開発されています。
パワーデバイス
今日、私たちの日常生活に欠かせないエアコンや冷蔵庫、電子レンジ、炊飯ジャー、液晶テレビといった家電製品はもちろん、地球温暖化対策には欠かせないハイブリッドカー、燃料電池、太陽電池や風力発電などにも、効率の良いIGBTをはじめとするパワーデバイスが組み込まれたインバータが使われています。
(「インバータ」といえば、それは多くの場合、コンバータと組み合わせた装置全体を指します。)
パワー半導体はシリコン素材が主流ですが、新しい半導体材料として、SiC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)があります。シリコンよりも電気を通しやすく、電力損失が大幅に削減されます。これにより効率向上や小型化が図れ、ハイブリッドカーの燃費向上、電気自動車、電車をはじめ、様々な機器の効率向上、省電力化が期待されています。
MEMS(メムス、Micro Electro Mechanical Systems)
MEMSとは、センサー、アクチュエーター、電子回路といった微小機械要素部品を、シリコンウェーハの上に作り込んだ超小型システムで、LSI(半導体)の製造技術を応用した微細加工技術で作られます。MEMSはさまざまな製品の超小型化に貢献しています。たとえば、プロジェクタのデジタルマイクロディスプレイ(DMD)や、インクジェットプリンタのヘッド部にある微小ノズル、ジャイロスコープ、圧力センサー、加速度センサー、流量センサーなどの各種のセンサーなどがあります。また、医療用として血液検査チップやカテーテルなどにも応用されています。
MEMSの最大の特長は、従来のLSIが平面上に電子回路を集積していたのに対して、立体的に積み上げる積層技術によって、電気的な機能ばかりでなく、メカニカルな機構をウェーハ上に大量に作れる点にあります。これにより、LSIのさらなる高性能化、大容量化を実現することが可能になります。今後、MEMSによって、センサー等のデバイスは、一層の小型化、低消費電力化を実現することが期待されています。
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