半導体の部屋
半導体の製造
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エッチング装置とは
エッチング装置とは、薬液や反応ガス、イオンの化学反応を使って、薄膜の形状を化学腐食、蝕刻加工する装置です。半導体等の電子デバイスの製造ラインで使用されます。図7-1に加工工程の流れを示します。
エッチングには、ウェットとドライがあります。以下にそれぞれを説明します。
ウェットエッチング
酸やアルカリなどの溶液中で、化学反応によって膜を削り、露出部分を除去するエッチング方法です。
ウェットエッチング装置の特徴
- 薬液が安価
- 一度に複数枚処理可能
- 等方性
ドライエッチング
高真空プラズマを利用します。
真空容器内で、ガスをプラズマ化し、化学反応と加速したイオンで膜を削って除去するエッチング方法です。
ドライエッチング装置の特徴
- 微細加工、異方性に優れている
- プラズマを用いる
- ウェットよりも高価
プラズマとは ?
プラズマ(plasma)は、正の電荷をもつ粒子(イオン)と負の電荷をもつ電子が電離状態で同程度分布し、全体として電気的中性を保つ粒子集団です。以下にドライエッチング装置の各種プラズマ方式を示します。
ECRとは ?
ECR(Electron Cyclotron Resonance)は、電子サイクロトロン共鳴と呼ばれます。真空装置に磁界を印加すると磁界中の電子は磁力線を中心にサイクロトロン運動と呼ばれる回転運動を行います。そこへ、その回転の速さに合わせた周波数ωのマイクロ波を入射すると、サイクロトロン運動と電界とのエネルギー共鳴が起こり電界エネルギーが電子に吸収されます。これを電子サイクロトロン共鳴と言い、電子を有効に加速し大きなエネルギーを与えることができます。このようにしてエネルギーを与えて発生させるプラズマをECRプラズマと言います。マイクロ波には2.45GHz、これに対応する共鳴磁界は875ガウスです。
製品紹介
コンダクターエッチング装置
20nm世代以降のデバイスにおいては、ダブルパターニングや3D構造、さらには新規材料に対応した後処理や保護膜形成などの高精度かつ複雑なプロセスが 要求されます。これら次世代デバイスプロセスに対応するため、インターフェースを統一し、高精度にモジュール化した各種チャンバを搭載可能とすることで、 最先端デバイスに対応した拡張性と柔軟性のあるプロセスを提供いたします。
ドライエッチング装置の製品ラインアップを紹介いたします。
コンダクターエッチング装置 9000シリーズ
次世代デバイスプロセスに対応するため、インターフェースを統一し、高精度にモジュール化した各種チャンバを搭載可能とすることで、最先端デバイスに対応した拡張性と柔軟性のあるプロセスを提供いたします。
コンダクターエッチング装置 M-600/6000シリーズ
マイクロ波ECR方式の高密度プラズマに加え、低温エッチング技術、TM(Time Modulation)バイアス技術の適用により、堆積性の低いクリーンなプロセスの採用が可能となり、滑らかな側壁形状を実現し、高い量産性を提供します。
エッチング装置 プロダクションサポートプログラム
日立ハイテクは、装置付加価値の向上と、運用経費節減の両立によるトータルソリューションサービスの追求をキーワードとして、プロダクションサポートプログラムを提供します。
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