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半導体とは
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半導体材料 シリコンについて
パソコンやテレビ、スマートフォンやデジタルカメラ、さらにICカードなど身近な電気製品に幅広く使われている半導体。ここでは、その半導体に最も多く使われている素材、シリコン(元素記号=Si)について解説します。
「ありふれた元素」シリコン
日本語でケイ素と言われるシリコンは、地球上で酸素の次に多い元素です。多くは土壌や岩石にありますが、天然水、樹木、植物などにも含まれ、最も「ありふれた元素」と言っても過言ではありません。
シリコンの構造と特徴
しかし自然の中にあるシリコンは、酸素やアルミニウム、マグネシウムなどと結びついているため、シリコン元素の抽出には精錬が必要です。なかでも、IC(集積回路)などの半導体に使われるシリコンでは、「99.999999999%」(イレブン・ナイン)という「超高純度の単結晶構造」が要求されるため、抽出後に各種の製造工程を経て精製されます。
単結晶とは、原子が3次元的に規則正しく並んだもので、その配列の基本単位を結晶格子といいます。単結晶とは、この結晶格子が、繰り返し規則的に配列されているものです。シリコンの結晶格子は、8個のシリコン原子を持つ単位格子による「ダイヤモンド構造」になっており、各々のシリコン原子は、4つの結合手によって周囲の4個のシリコン原子と結合しています。「ありふれた元素」でも、こうした安定した構造を持つシリコンだからこそ半導体の素材として利用されているのです。
なお、シリコンの精錬には大量の電力が必要なため、日本では、電力の比較的安価なオーストラリアや中国、ブラジルなどから精錬された純度98%以上の金属シリコン(インゴット)として輸入しています。
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- 半導体とは2.暮らしの中の半導体
- 半導体とは4.半導体の歴史