微生物迅速検査装置 Lumione BL3000
Lumione ®*1は、ATP生物発光法(ATP*2法)を採用し、製薬用水試験では、前培養なしに、前処理から発光測定まで最短約1時間*3で、ATP 1 amol*4(1 菌レベル)の検出を実現しました。
さまざまな試料に合わせた前処理法をご提案いたします。
*1 “Lumione” は株式会社日立ハイテクの登録商標です。
*2 ATP: Adenosine Triphosphate アデノシン三リン酸
*3 1サンプル(100 mL)を前処理~発光測定する場合の社内での計測結果です。
*4 amol: attomole アトモル: 1 amol = 10-18 mol
価格:お問い合わせください
取扱会社:株式会社 日立ハイテクサイエンス
特長
迅速
- すぐ結果が出て安心(最短1時間で検出可能)
- よりリアルタイムに近い微生物モニタリング
- 異常時にすばやく対応でき影響を最小限に
試験の簡便化
- 試料の希釈系列や寒天培養が不要
- 廃棄物の低減で環境にやさしい
効率化・全体のコスト軽減
- 設備点検後の試験時間短縮で稼働率アップ
- 出荷試験の短縮で速やかな出荷・在庫削減
- 化粧品などの処方開発の効率アップ
データの信頼性確保
- FDA 21CFR Part 11支援のソフトウエア
適用分類
微生物迅速検査装置「Lumione BL3000」は、微生物試験のみならず研究開発における保存効力試験、消毒/抗菌効果試験の迅速化にもお役に立てます。
試験内容 | 対象分野 | 測定対象例 | |
---|---|---|---|
微生物試験 | 品質管理 | 医薬品 | 常水・精製水・注射用水 医薬中間品 設備洗浄水 |
飲料 | 設備・容器洗浄水 | ||
出荷試験 | 製薬 医療部材 |
輸液剤・透析液・注射剤 | |
飲料 食品材料 |
清涼飲料水 100 mL (ミネラルウォーター・アルコール飲料) |
||
衛生剤 化粧品 |
除菌シート・メイク落としシート・化粧水 | ||
殺菌/消毒/抗菌 効果試験 保存効力試験 |
研究・処方 開発 |
医薬品 医薬部外品 |
消毒・抗菌薬 点眼薬・コンタクトレンズ保存液 |
衛生材 | 抗菌材料 |
検査フロー(前処理方法)
濃縮ろ過法
混合法
装置概要
項目 | 仕様 |
---|---|
分析方式 | ATP生物発光法 |
測定感度 | ATP検出下限 ≤ 1 amol |
ATP測定範囲 | 0 ~ 500,000 amol |
サンプル架設数 | 24本/ラック |
サンプル 処理速度 |
24本/1 hr |
電源 | 単相AC100 V(50/60 Hz)、1.0 kVA |
質量 | 装置本体 : 72 kg |
寸法 | 773(W)×421(D)×648(H) mm |
アプリケーション
No. | タイトル |
---|---|
BL210001 | |
BL210002 | |
BL210003 | |
BL210004 | |
BL240005 | |
BL240006 |
よくあるご質問
Lumioneはどのような原理で微生物検出を行うのですか?
微生物体内に含まれるATP(アデノシン三リン酸)を抽出し、生物発光法で測定、発光量からATP量を換算することで、生菌を検出します。
(参照:テクニカルレポート BL N0.210003 Lumioneの高感度ATP法の特徴)
培養法や従来のATP法との違いは何ですか?
培養法では微生物の検出まで日数が掛かり、培養条件下で生育する微生物のみ検出可能です。また従来のATP法は検出感度が数百amolで、微生物では100個程度が検出下限でした。また、芽胞形成菌(芽胞菌)の検出が難しいこと、微生物以外のATPによる高バックグラウンドが微生物の検出を妨げることなどが課題でした。一方LumioneではATPバックグラウンドを低減し、芽胞菌検出を可能とする専用試薬と前処理法を開発することで、ATPの検出感度を向上させ、1菌相当の1 amolの検出が可能です。
(参照:テクニカルレポートBL N0.210003 Lumioneの高感度ATP法の特徴)
測定可能な試料の条件はありますか?
Lumione濃縮法(数菌以下の検出を希望される場合)は専用フィルタでろ過できることが条件となります。そのままではろ過が難しいサンプルでも、前処理を工夫することで、検出が可能となる場合があります。また、Lumione混合法では専用フィルタでろ過できない試料でも測定可能ですが、試料希釈や増菌培養が必要な場合もあります。
(参照:テクニカルレポート BL N0.210004 Lumione検出方法)
測定に必要な試料の液量はどの程度ですか?
通常、Lumione混合法では0.01 mL (10 µL)以上で、Lumione濃縮法では1~500 mLです。
(参照:テクニカルレポート BL N0.210004 Lumione検出方法)
測定時間はどのくらいですか?
試料によって必要な前処理が異なり、測定時間も異なりますが、製薬用水のような試料自体に含まれるATPが少ない場合は、前処理調製から計測結果がでるまで約1時間です。試料自体に含まれるATPが多い場合は一晩の増菌培養を含み、1日以内での検出が目安となります。
検出可能な試料の事例はありますか?
製薬用水、清涼飲料水、アルコール飲料、医薬品原料、ふき取り検査などについて検出実績があります。
(参照:テクニカルレポート BL N0.210004 Lumione検出方法)
芽胞菌やカビ、酵母の検出は可能ですか?
芽胞菌、カビ、酵母についても検出可能です。
菌数は分かりますか?
菌種により、菌1個あたりのATP量は異なるため、複数の菌種が含まれる試料では、ATP量から菌数を算出することはできず、ATPの総量のみわかります。単一菌種のみ含まれる試料では、ATP量から菌数を算出できます。
(参照:テクニカルレポート BL N0.210003 Lumioneの高感度ATP法の特徴)
菌種同定はできますか?
Lumioneでは菌種同定はできません。菌体を壊して内部のATPを抽出するため、測定後の試料から菌培養はできません。
測定法は公的に認められたものですか?
生物発光法は日本薬局方(第16改正以降)の参考情報に掲載されています。
他の迅速法との違いは何ですか?
非培養(前処理含み1時間程度)で1菌レベルを検出可能です。
(参照:テクニカルレポート BL N0.210001 LumioneのATP発光測定_分析能、テクニカルレポートBL210002 LumioneのATP発光測定_精度)
日常点検など、装置のチェックを行う方法はありますか?
Lumione立上げ時に自動で動作確認およびノズル洗浄を行います。また、機器設置時や専用試薬キットの新規ロット開封時などに、試薬キットに付属の0 amol、100 amolのATP量を含む標準試薬を用いて検量線を作成します。日々の使用に際してはATP量0 amol、100 amolの標準試薬を測定して、ATP量測定精度を確認します。
検討対象の試料がLumioneで測定可能かを事前に確認することはできますか?
事前アンケートで試料の種類、形態、測定対象の微生物、管理基準などをご記入いただきます。
それを元にLumioneで測定可能または可能性のある試料については、試料をお預かりして評価させていただきます。数検体程度の味見試験は無償で対応しております。
デモ機の貸出しはお願いできますか?
ご相談の上、装置の貸出しを行っております。具体的な内容についてはお問い合わせください。
試薬について(試薬取扱説明書)
Lumione 微生物迅速検査用試薬キットの取扱説明書です。
試薬のご使用に際しては、本書をよくお読みください。(最終更新日:2024年2月9日)