PET検査Q&A
Q1. PETですべてのがんが見つかりますか。
いいえ。細胞成分の少ないがんや分化度が高く糖代謝が高くないがんなどでは、PETで集積が少ないか認められないことがあります。また、PETの空間分解能には限界があり、10mm以下の病変は見つけることが困難です。さらに高血糖やインスリン投与時、脳、腎、膀胱などの生理的集積部位に近接している場合にも、FDG集積の評価が難しくなります。
Q2. PET検査は健康保険が適用されますか。
いわゆる「検診」として受診する場合は、健康保険は適用されません。健保組合によっては、一部PET検診への補助金の給付が受けられる場合がありますので、ご加入の健保へお問い合わせ下さい。また、疾患により一定の要件が満たされると、保険の適用が認められる場合があります。詳しくは、かかりつけ医、または、PET検査施設にて直接ご確認下さい。
Q3. PET検査の費用はどのくらいかかりますか。
施設によって異なりますが、日立の提携施設では概ね以下の費用で受診できます。
PET/CT検診 10万円台~15万円台
上記はPET検診またはPET/CT検査のみを実施した場合の費用です。PET検査と他の検査(MRI検査、血液検査、人間ドックなど)を組み合わせて受診をする場合は、別途費用が加算される場合があります。
健康保険が適用となる場合は、3割負担の方で約3万円ほどです。正確な金額は各PET施設にお問い合わせ下さい。
Q4. PET検査とPET-CT検査はどう違うのですか。
PETは体の広い範囲を一度に観察することができるという他の画像診断法に比べた利点があります。しかし、一方でPETのみでは病変部位の解剖学的な位置を正確に同定することが通常は困難です。そこで、最近ではがんの診断目的には、PETとCTを同一の装置に組み合わせたPET/CTが広く使用されるようになりました。病変と周囲との位置関係はCT画像を用いることで把握しやすくなります。ただし、検診などのようにがんを有する可能性が元々低い場合には、不必要な被ばくを避けるために、CTを併用しないか、低線量CTで施行するなどの配慮が必要です。
Q5. PET検査は、当日施設に行けば、すぐ受診できますか。
受診される方一人ひとりに合わせて、検査薬を準備する必要があるため、施設に行ってその場ですぐ受診が出来る検査ではありません。受診を希望する施設に必ずご予約の上、ご予約日に受診して下さい。
Q6. PET検査を受ければ、人間ドックは受けなくてもよいですか。
日本核医学会から2007年度に発表された「FDG-PETがん検診ガイドライン」によれば、FDGの排泄経路に近い腎癌や膀胱癌、子宮頚癌や、FDG集積の程度が低い前立腺癌、肝癌などでは有用性が低くスクリーニングのためには選択されません。また、胃癌、食道癌の発見には上部消化管内視鏡がFDG-PETに優先します。逆に頭頚部癌、悪性リンパ腫ではFDG PETが最も優れた方法とされます。したがって、PET単独でがん検診を行うのは適当でなく、検診を受ける方のリスクに応じて他の検査との使い分けや併用が必要です。
Q7. 被ばくが心配なのですが。
PET検査のみを行った場合、被ばく量は胃腸透視検査(バリウム検査)1回分以下です。PET/CT検査の場合は、これにCT検査分の被ばくが加わり胃腸透視2~4回分の線量です。
PET検査またはPET/CT検査の被ばくによる身体への影響はないと考えられますので安心して受診できます。ただし、妊産婦や授乳中の女性は胎児や乳幼児への影響を極力避けるため検査を控えてください。また、検査当日は妊産婦や小児との緊密な接触はなるべく控えてください。