アルミホットスタンプ
ガソリン車の燃費低減、EV車の走行距離向上、CO2排出量削減に大きく貢献する車両の軽量化技術。その技術に欠かせない材料「アルミニウム」。近年では、鋼板に代わり自動車パネルへの採用が拡大しており、EV車のバッテリーケース、ECUケース等への採用も進んでおります。
当社は、従来の冷間プレスに対し、成形性が大きく向上するプレス技術「アルミホットスタンプ」の量産技術を開発しております。
アルミホットスタンプ 概要
アルミホットスタンプ加工工程
アルミ板を加熱し、プレスと同時に急速冷却する加工技術です。
ホットスタンプ技術の効果
ホットスタンプにより、成形性、形状凍結性が飛躍的に向上します。
アルミ冷間プレス比で2倍以上に成形性が向上し(当社試験結果より)、鋼板SPCE材を上回る成形性が得られます。また、6000系材料を使用する事で高強度化も可能です。
加工方法比較
アルミ冷間プレス
下記形状の場合、アルミ冷間プレスでは、最終形状までに5工程を要します。
(実際は1工程あたり3回に分けてプレスをしている為、15工程を要しております)
アルミホットスタンプと鋼板SPCE材との比較
アルミホットスタンプは1回プレスで最終形状が成形可能です。
また1回プレスの為、ダイスマークのない美しい表面が得られます。
SPCE材(冷間プレス)の場合、最終形状1回プレスでは凸部頂点に亀裂が発生します。
SPCE材及び6000系材は、エンジンフード、ルーフ、トランクリッド、ドアパネル等に採用されておりますが、とくにデザイン等で成形の難しい部分には、SPCEが多く採用されています。
アルミホットスタンプ 特徴
アルミホットスタンプ工程の特徴とメリット(鋼板との比較)
アルミホットスタンプは、鋼板のホットスタンプと比較し、加熱温度が低く、冷却速度が速い為、小規模な設備と、少ないエネルギーで効率的な生産が可能です。
工程 | 特徴(鋼板との比較) | メリット |
---|---|---|
加熱 | 加熱温度が低い (鋼板800°C、Al 500°C) |
工程の時短化、設備の小規模化、省エネ化 |
冷却 | 放熱性が良く冷却速度が速い | 金型冷却機構の簡素化 成形サイクルタイムの時短化 |
プレス | 成形荷重が低い | プレス機の小規模化 |
アルミダイカストとの比較
6000系材は、ダイカスト材(ADC12材)と比較し、熱伝導率・耐食性に優れた材料です。
中~大サイズのケースやカバーのような形状では、品質・生産性において大きなメリットが得られると期待しております。
1.材料特性(代表値):
2.ホットスタンプ品の特長(ダイカスト品との比較)
ご参考資料
こちらの資料はPDFでダウンロードできます。
『プレス技術』2020年2月号への掲載資料