材料・コンバーティング業界で多く取り扱われる紙製品や樹脂製品は、求められる機能を満たすため様々な工夫がなされています。そのため、表面形状および表面粗さ計測は、品質管理上重要な役割を担っています。また、積層フィルムなどにおいて不具合が生じた際、表面・界面または層内のどの箇所に問題が発生しているか究明する必要があり、試料によっては非破壊での計測が求められることも多くあります。
ここでは、材料・コンバーティング業界におけるナノ3D光干渉計測システムVS1800による様々な測定事例をご紹介いたします。(VS1800についてはこちら)
ディスプレイ用フィルム表面には反射防止や指紋による汚染防止といった機能性を保持するため様々な工夫が施されています。VS1800では、平滑なフィルム表面だけでなくマット調フィルムの表面のような凹凸の大きいサンプルも再現よく計測できます。
表面の防眩性改善や他表面との密着性をコントロールする目的などに用いられる粒子フィラーはその形状・サイズ・密集度などの計測が不可欠です。VS1800では、形状を捉えるだけでなく、サイズ・個数などを解析する機能を用いた評価が可能です。
包装フィルムでは、バリア性など機能を持った材料層を積層することで、内包物が劣化しないよう工夫を施しています。そのため、その材料層が機能を発現できる膜厚であるかどうかなど、各層の膜厚管理は重要です。VS1800は、表面粗さの評価だけでなく、非破壊で層内部の構造を可視化でき各層の厚みや厚みムラの評価が可能なため、包装フィルムの品質管理に有効です。
測定事例1
測定事例2
表面の材質に関わらず、透明体においても高い分解能での高さ計測ができるVS1800は、高分子材料のような透明薄膜段差などにおいても高精度な計測が可能です。
またVS1800の層断面解析では、透明材料の多層積層時に発生するような気泡欠陥評価などを非破壊で行えるため、断面を作成せず、どの層で異常が起きているか確認することができます。
測定事例1 ガラス基板上高分子薄膜段差
測定事例2 テープのり
VS1800は、高速・高分解能を有した「標準測定モード」と光の反射が微弱な傾斜面の計測を可能にする「高傾斜測定モード」を有しているため、光沢紙のような平滑な表面だけでなく、名刺表面のようなざらついた繊維質の表面まで、広域エリアの測定が可能です。
測定事例1 光沢紙
測定事例2 名刺印字面