積層フィルムでは、フィルムの表面や裏面さらには内部に、様々な不具合が起こりえます。不具合の原因解明には、異常発生時の状態を保つため非破壊での計測が必須となります。
ここでは、非破壊・非接触の計測で高さ分解能にすぐれた表面形状および膜厚測定が実現できるナノ3D光干渉計測システムVS1800によるフィルムの異常部の測定例についてご紹介いたします。(VS1800についてはこちら)
ナノ3D光干渉計測システムVS1800による測定では、異常箇所がライン状に凹んでいることがわかり(a)、その幅や深さを計測することが可能です(b)。
さらにVS1800では非破壊で層断面解析が行えます。
層断面解析結果(c)を見てると、試料構造(e)同様に深さ方向に4本の水平ラインが確認できます。特に、中央の薄い層②の厚み分布にムラがあることがわかります。層②のムラ部分である輝点(d)は、干渉強度の変化が著しく気泡であると推定されます。
ナノ3D光干渉計測システムVS1800による測定では、異物混入箇所が山型に膨らんでいることが確認でき、その幅や高さを計測することが可能です。(b)(c)
非破壊層断面解析による解析結果(c)からは層②の厚み分布にムラがあり、表面の凸異常部を中心に大きく膨らんでいることが分かります。
さらに膨らみが見られる箇所の層②と層③の界面では、干渉が途切れている領域が確認できます。この干渉の途切れから、混入した異物が光を遮っていることが推測されます。