各種電子部品の微細化にともない、めっきはますます薄膜化しています。その品質管理においては、より正確・精密が分析手法が求められています。
走査型プローブ顕微鏡は、高いZ分解能を特徴とする一方で、観察範囲が狭く制限されます。また、一般的な光学観察装置では、より広い視野範囲の観察が行えますが、Z分解能は低下します。
ナノ3D光干渉計測システムVS1800は面内方向の広い観察視野と高さ方向の高い分解能を併せ持つことから、メッキ配線のように大きな段差パターンとその表面の粗さ計測の両方を簡便に行うことができます。(VS1800についてはこちら)
メッキ表面は用途や目的によって表面処理を施す場合があり、その表面の一般的な観察手法として、SEM観察があげられます。
SEM像により表面性状の違いを明瞭に可視化することが可能ですが、一般的なSEMで得られる情報は2次元のため、立体的な特長を高精度に計測することは難しいです。
図はNiメッキ表面に粗化処理を施したサンプルについて、FlexSEM 1000(SEM)およびAFM5500M(AFM)、VS1800(ナノ3D光干渉計測システム・CSI)にて観察、計測を行った結果を示しています。
FlexSEM 1000/AFM5500Mの観察・計測結果を見比べると、SEM観察で得られた形状がAFM計測結果においても捉えられていることがわかります。また、AFMとCSIの算術平均粗さSaはほぼ同等な値を示し、AFMでとらえられた微細形状がナノ3D光干渉計測システムにおいても同等に計測できることがわかります。このように高空間分解能を有するAFMを用いればCSIデータをクロスチェックすることが可能になります。ナノ3D光干渉計測システムは、高速計測という特長を生かして、多数サンプルにおける評価のスループット向上が期待でき、更にここで記載したように、SEMやAFMを加えた観察、計測を通じて多角的な評価を行うことができます。