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日立ハイテク
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設備異常の予兆を検知する「BD-CUBE🄬」を
品質ばらつき要因の解析にも活用。
REPORT

2024/01/10
目次

工場の機器・装置・システムから得られるデータを活用し、プロセス異常の予兆検知に多くご活用いただいている「BD-CUBE🄬」ですが、今回は品質のばらつき要因の検証に活用した事例を紹介します。それは、ある機能性材料メーカーさまのご相談から始まりました。

(担当者)
日立ハイテクソリューションズ
OT事業本部 デジタルソリューション事業ユニット
Smart-PAグループ グループ長
本屋 俊弘

「品質のばらつきにつながっている要因を突き止めたい」

品質のばらつき要因の検証に「BD-CUBE🄬」を活用くださったのは、ある機能性材料メーカーさまでした。ある機能性材料を同じ原料、同じ設備、同じ制御でつくっていても、最終製品を検査分析すると、分析値が一定ではなく、毎回ばらつきがある。規定値からはずれた製品は前の工程に戻して再調整するなどが必要で、品質安定化、操業安定化が課題でした。

「毎回、同じ運転をしているつもりでも、製造プロセスにどのような変化が生じているのか、ラインに流れてくる流量値や温度、圧力などの製造プロセスデータから、品質がばらつく要因を突き止めることを目的として検証しました」(本屋)。

タンク内温度など12項目のセンサーデータを解析。

関係していることが見込まれる12項目のセンサーデータをお客さまからいただき、「BD-CUBE🄬」による検証を開始。対象とした工程は、粉末状の製品に水分を含ませて調整する最終工程で、タンク内温度、タンク内圧力、ロータリーバルブ回転数、タンクレベル、電流値などの、1分周期のデータを用いました。

「まず最終製品の分析値が悪いときの12項目のデータを取り込み、次に分析値が良いときのデータを機械学習させます。学習モデルができたら、評価期間のデータを取り込み、解析します。データの取り込みはわずか数秒ででき、解析も1〜2秒で結果が出ます。BD-CUBE🄬のこのスピードにはお客さまも驚かれていました」(本屋)。

原材料の自重で、密度が高くなっていることが判明。

「BD-CUBE🄬」で解析すると、学習させたデータと比較して違いがあるところがわかりやすく色を変えて表示されます。さらにいちばん影響度の高いセンサー項目からランキング形式で表示されます。今回、「BD-CUBE🄬」が最も影響度の高い項目として挙げたのは、原材料のタンクレベルと、タンクから次工程への投入量でした。

「タンク内の原材料のレベルがいつもより高いとき、次工程への投入量も多くなっていることがわかりました。この結果を示しながらお客さまと話していくと、投入する原材料はタンク内のレベルが高いと粉末の自重で投入口付近の密度が高くなり、それによって、投入量を一定に制御していても想定より原材料がロータリータンクへ多く投入されている。その後のロータリータンク内で原材料の水分の含有量も変わってしまい、品質がばらつくという要因が見えてきました」(本屋)。

新たな気づきが得られたことで品質の安定化に寄与。

原材料をタンクから送り出すロータリーバルブ回転数を一定に制御しても、タンク内のレベルが変わることで自重による密度の変化が起こっている。新たな気づきを得られたことで、お客さまは「BD-CUBE🄬」の解析を高く評価してくださいました。品質安定化にタンクレベルが重要な要素であることがわかり、その後の品質安定化に寄与することができました。

「データの投入から約3時間で解析結果を出せたこと。また、プログラミング要素なく、画面に沿ってクリックしていくことでモデル作成からデータ解析までできるため解析知識のない現場のオペレーターさんでも扱えることにも「BD-CUBE🄬」の良さを感じていただけました。お客さまの製造部内では、このような要因分析をエクセルなどでやっておられたようなのですが、時間と労力をかけても見つけられなかったり、それらしい要因を見つけたとしても確かめるのに2、3カ月かかる状況だったそうで、スピード感の違いに驚かれていました」(本屋)。

予兆検知ソリューション「BD-CUBE🄬」が大事にしているのは、製造部門の方が使いこなせること。

気づきにつながる情報をわかりやすく提示する、考え抜かれたインターフェイスが評価され、今、半導体材料メーカーなど幅広い分野のお客さまに活用いただいている「BD-CUBE🄬」。まずは設備異常の予兆検知で「BD-CUBE🄬」を使うステップを踏んだ後、最終的に品質ばらつき要因の検証に使うお客さまもおられます。

「データ活用に詳しい本社の企画部門の方だけではなく、製造部門のオペレーターさんに使っていただけることが「BD-CUBE🄬」が大事にしていることです。解析の専門知識は必要ありません。製造プロセスや設備を熟知している人が使いこなせてこそ、気づきをすぐに次のアクションにつなげていただけるからです。現場の方が運用することを前提に、操作性や情報の提示方法はすごく考えてつくっていますし、よりお役に立てる製品であるよう、お客さまからのお声を通して日々改善にも取り組んでいます。導入後の現場での実運用も含めてご相談にのりますので、お気軽にご連絡ください」(本屋)。

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