フタル酸エステル類分析のトータルコストを徹底比較
日立ハイテクサイエンスのフタル酸エステル類スクリーニング検査装置HM1000A導入のメリットの一つとして、測定時間の短縮やヘリウムガスを使用しないことによるランニングコストの安さが挙げられます。
受託分析機関を利用した場合、HM1000Aとよく比較される測定手法である熱分解ガスクロマトグラフ質量分析計(Py-GC-MS)を導入した場合とのコストの比較例をご紹介します。
コスト削減に貢献するHM1000Aの特長
1. 測定に必要な消耗品を削減
Py-GC-MSなどの分析装置ではキャリアガスに高価なHeガスを使用しますが、本装置はキャリアガスに窒素ガスを使用しており、コストを抑えることができます。また、窒素ガス発生装置(国内オプション)の使用により、ガス購入の必要性を抑えることができます。
2. 安価な試料容器
本装置に使用する試料容器は微量試料量に見合った50円/個とリーズナブルです。
3. メンテナンスコストの低減
従来の測定技法では、装置の様々な部分の定期的なメンテナンスが必要でしたが、本装置は加熱部と検出部だけのシンプルな構成で、定期的なメンテナンスを必要とする箇所を少なく設計しています。
4. オペレーションコストの削減
測定試料はごく少量を切り出し、容器にセットするだけです。前処理に要する時間を最小限に抑えています。また、1検体10分以下で測定できます。本装置はオペレーションに関わる時間を最小化しオペレーションコストを削減することに寄与します。
ランニングコストの比較
以下の表では、試料容器、キャリアガス、部品交換といったランニングコストにおいて、HM1000AとPy-GC-MSの比較をしています。
年間10,000検体を測定した場合の比較(週休2日、24時間測定)
HM1000A | Py-GC-MS | |
---|---|---|
ランニングコスト合計(A~C) | 65万円*1 | 330万円 |
試料容器(A) | 50万円(50円/個×10,000個) | 250万円(250円/個×10,000個) |
キャリアガス(B) | 窒素ガス発生装置使用のため電気代のみ | 30万円/年(Heガスを常時使用) |
部品交換(C) | 15万円/年(放電針、Oリング) | 50万円/年(GCカラム、石英熱分解管、フェラル、石英ウール、ニードル、交換作業時間:1日~2日) |
測定時間 | 42週間(50検体/日) | 80週間(30検体/日) |
*1 窒素ガス発生装置の電気代が別途かかります。
* 一定の条件下での一般的なPy-GC-MSとの比較であり、費用を保証するものではありません。
検体数別トータルコストの比較
年間測定検体数が100、380、500、1000の場合について、外部分析機関への委託分析、Py-GC-MS、HM1000Aを用いた自社分析のケースを想定し、装置導入費用を含む、トータルコストを比較しました。
■ 年間100検体測定した場合
■ 年間380検体測定した場合
■ 年間500検体測定した場合
■ 年間1000検体測定した場合
〈トータルコスト算出条件〉
- 設備費用は5年間での減価償却としています。
- 人件費は測定者に要求する専門性を考慮した計算としています。
- HM1000Aでのグレー判定率は1%としています。(弊社調べ。ユーザーに対するヒアリング調査結果を反映)
- グレー判定となった検体に対しては外部の分析機関での精密分析を実施するものとして費用に加算しています。
- 外部分析機関への精密分析費用は25k\/1検体で試算しています。
- Py-GC-MS、HM1000Aともに、メーカー保守点検費用を含みます。
*本データは、上記の条件で計算した1年間にかかる費用の一例です。
すべてのケースで、この試算値を保証するものではありません。