車載用途の拡大によってリチウムイオン二次電池の需要が大きく高まり、また大容量、急速充電、長寿命などの性能向上が進むことで評価および解析のニーズが急増しています。そのすべてを自社リソースで対応することは困難です。また、リソースの拡大に要するコストも莫大となり、市場での競争力に大きく影響します。
日立ハイテクでは、独立系最大規模の受託計測サービスJAPAN TESTING LABORATORIES株式会社(JTL)と提携し、リチウムイオン二次電池の性能評価試験および材料解析のワンストップサービスを提供しています。
このサービスでは、高精度な性能評価試験に加え、試験後の分析評価までをトータルで提供。放電性能試験やサイクル寿命性能試験、保存性能試験などを一括して行うことが可能で、試験後の分析評価ではすべての装置に非曝露システムを搭載し、グローブボックスを介して同一試料を複合解析できます。JTLが有するメーカーラボと同等の分析装置や測定環境の設備および豊富な試験解析データに、日立グループの総合力を加え、評価・解析の単なるサービスに留まらない、新たな製造ソリューションの提案までを含めた技術サービスを展開しています。
STEM、EELS(電子エネルギー損失分光法)を用いて、原子分解能での構造、遷移金属価数の変化を評価します。SEI層やコーティングの膜厚評価も可能です。
FIB-SEMを用いて、電極シートをFIBスライス加工しながらSEM観察し、3Dモデルを作成することで、電極内での活物質、導電助剤、バインダー等の立体構造を評価します。空隙率、接触面積等のパラメータ算出も可能です。
超低電圧でも分解能が維持できるFE-SEMを用いて、通常電圧の観察では電子線の影響により変化してしまうSEI層等の反応生成物の観察を可能にします。その他、固体電解質やセパレータ(高分子材料)の観察にも有効です。
FIB-表面敏感かつLiのスペクトルが取得可能なXPSを用いて、SEIの化学結合状態を評価します。さらにイオンスパッタリングを併用し、SEIの膜厚方向の分析を行うことで、性能低下につながる要因となる情報を取得できます。