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Vol.8

バイオマスとは。定義や種類、利用形態を分かり易く解説

再生可能エネルギーの中で大きな割合を占めている太陽エネルギーに注目し、日本太陽エネルギー学会の監修により基礎解説をしていく本連載。第8回目は、「バイオマス」についてです。再生可能エネルギー社会に向けたバイオマスが注目されていますが、バイオマスのエネルギー利用には地域に賦存するバイオマスの種類に応じ、またその地域のエネルギー需要に適した方法で利用する「適材・適地・適法」といった考え方が必要です。今回は、バイオマスの定義や種類、利用形態について解説します。

地球温暖化の防止や、枯渇が懸念される化石燃料への依存を低下させる目的で、再生可能エネルギーを主体にした社会の構築が模索されています。地球に降り注ぐ太陽光をエネルギー源にし、大気および地表に存在する二酸化炭素と水を主な原料として生産されるバイオマスは、その生育過程で温室効果ガスを削減します。このバイオマスは、発電のエネルギー源として利用しても二酸化炭素と水に還ることから、「カーボンニュートラル」という考え方がとられ、温室効果ガスの増加を伴わないエネルギー源として、再生可能エネルギー社会を構築する上で重要なエネルギー源とみなされています。

バイオマスの定義と種類

バイオマスとは、元々は生態学の分野で用いられていた言葉であり、光合成生物が太陽光を受けて生産した物質とそれらを利用する(人間を含む)従属栄養生物がつくり出す生物体の量を指します。これらを利用する人間の側から見れば、バイオマスは「生物体起源の食料、飼料、燃料、材料とその廃棄物」と定義することができます。

このような定義上、バイオマスの種類は多く、その分類方法も、起源によるものや、性質によるもの、あるいは利用法によるものなどさまざまであり、いくつもの分類が試みられていますが、著者は、その起源と性質(乾燥系か湿潤系か、油料・燃料作物系か)による分類が良いのではないかと考えています。バイオマスの種類は、ドライバイオマス、ウェットバイオマス、オイル・燃料系バイオマスの大きく3種類に分類できます。<表1>

バイオマスは状態に注目すると、ドライバイオマス、ウェットバイオマス、オイル・燃料系バイオマスに分類できる(提供:塙藤徳氏)
バイオマスは状態に注目すると、ドライバイオマス、ウェットバイオマス、オイル・燃料系バイオマスに分類できる(提供:塙藤徳氏)

<表1>黒文字が、乾燥系バイオマスを示しており、木質バイオマスと農業残渣があります。木質バイオマスは、そのほとんどが林地に放置されている未利用間伐材や公園や街路樹、高速道路などの植栽樹木の剪定枝、製材あるいは建築(解体を含む)段階で排出される廃材、古紙等があります。農業残渣は、稲わらや麦わら、サトウキビの搾りかすであるバガス、パーム油生産の際の副産物であるアブラヤシのパーム核殻(PKS)や空果実房(EFB)などがあります。

<表1>青文字で示した、湿潤系のバイオマスは、食品の加工・流通販売過程での廃棄物や調理くずなどの食品廃棄物や、家畜の糞尿を主体とする畜産廃棄物あるいは生活廃水から得られる下水汚泥などがあります。

<表1>緑文字で示した、油料・液体燃料系のバイオマスは、パーム油、菜種油などの植物油、トウモロコシ、サトウキビ、ヤナギ等の早生樹、単位面積あたりの収穫料の多いエリアンサスなどのエタノール源となる作物・植物、もしくはユーグレナややオーランチオキトリウム等の液体燃料源となる藻類などがあります。

バイオマスの利用形態と利用方法

バイオマスをエネルギーとする利用形態や、利用方法(利用可能な状態に加工(化学的、物理的、あるいは生物的に変換)する方法)は、バイオマスの種類毎に異なっています。これらバイオマスの利用形態と利用方法を、バイオマスの種類に注目し<図1>に整理しました。

<図1>バイオマスをエネルギーとする利用形態と利用方法(提供:塙藤徳氏)
<図1>バイオマスをエネルギーとする利用形態と利用方法(提供:塙藤徳氏)

燃料利用〜木質バイオマスの利用形態(1)

乾燥系のバイオマスである木質バイオマスの第一の利用形態として、燃料利用があります。伝統的な燃料である薪や柴、炭化することで燃焼時にススの発生を少なくし屋内利用をしやすくした木炭のほか、粉体化後に圧縮形成しエネルギー密度を高めることで利用し易くしたペレットやブリケット、あるいは、200〜300℃の低温で半炭化(トレファクション)した半炭化物(生炭ともいわれ粉砕性がよく石炭混燃に有利)、プラスチック系のゴミにも対応できるRDF(Refuse Derived Fuel)などの固体燃料があり、これらは、調理・給湯・暖房などの熱源としての利用や、直接燃焼、ガス化燃焼、石炭混燃や燃料電池の燃料の発生源として発電に利用することができます。

液体燃料化〜木質バイオマスの利用形態(2)

乾燥系のバイオマスの2番目の利用形態としては、液体燃料化です。発酵によるエタノールや、ガス化後フィッシャー・トロプシュ(FT)反応などにより作られる液体燃料があり、この場合の主な利用方法は主に輸送用燃料となります。

日本の自動車会社が、ブラジルでサトウキビを液化したエタノールを燃料とする燃料電池自動車を販売すると発表しました(参考文献1)。気体である水素を車載燃料として使用する際には、高圧圧縮にともなう理論断熱動力以上の圧縮エネルギーが必要となりますが、エタノールはその必要がありません。このことから当該自動車の試みは、水素を燃料として用いる固体高分子型燃料電池を用いる市販が始まった燃料電池車へのアンチテーゼとして興味深いものです。

ガス化〜木質バイオマスの利用形態(3)

乾燥系のバイオマスの3番目の利用形態としては、ガス化です。メタン発酵や、不完全燃焼を伴う内熱式もしくは外熱式の熱分解によって得られるガスがあり、前者の場合は、調理等に用いることも可能ですが、主たる利用はガスエンジンもしくはガスタービンによる発電用です。

固体燃料化・ガス化〜湿潤系バイオマスの利用形態

湿潤系バイオマス(食料残渣や畜産廃棄物等)の利用形態は、例えばインド等では一般的な家畜の糞を天日乾燥させ固体燃料として調理等に使われていますが、我が国では、2012年に開始された固定価格買取制度(FIT)による高い買取価格もあり、メタン発酵によってガス化した後、発電に用いる方法がメインとなっています。将来的にもし、微生物燃料電池が実用化されれば、下水汚泥の処理と発電を同時に行えるようになる可能性もあります。

輸送〜油料・液体燃料系バイオマスの利用形態

油料・液体燃料系のバイオマスの利用形態として、輸送があります。輸送用のエネルギー源の場合、ある程度の重量物を運ぶことが可能な自動車や船舶においては、蓄電池(バッテリー)を搭載した電気自動車や電気船舶の普及が考えられますが、重い蓄電池を運ぶことが不利になる航空機では、エネルギー密度の高い液体燃料が欠かせません(ジェットエンジンには、その作動原理から液体燃料が不可欠)。このため、航空機燃料の生物的な生産を目指して、バイオ燃料製造やバイオ燃料を利用した試験飛行が試みられており、国内においても政府がバイオジェット燃料の普及に関する検討委員会を2015年7月に立ち上げています。

ディーゼル車に油料作物から得たバイオディーゼルや廃食油を利用する場合、特に後者では廃棄物利用の観点から、廃食油を収集する補助金政策などを含めた地域的なシステムの構築が非常に重要になるでしょう。

バイオマス賦存量と利用率

地球上には1.8~2兆t(乾物重量)のバイオマスが存在し、毎年2,000億t程度が増加しており、このうち10%が使われれば人類が使う年間総エネルギー消費に匹敵すると、迫田ら(参考文献2)は報告しています。エネルギー源としてのバイオマスの非常に大きな潜在的可能性が示唆されていますが、バイオマスの利用に当たっては、バイオマスの採取可能量と人類が使えるエネルギーに変換する際のロスや、その経済性に関する考察は当然必要になります。

例えば、木質バイオマスのエネルギー利用を考える場合、バイオマスの採集やエネルギー変換・利用の際のロスが大きく、仮に地球上におけるバイオマスの年間増加量の5%を採取できたとしても、それを歩留まり20%で利用すると仮定すれば、そのポテンシャルは人類が使う総エネルギーの10%にしか相当しません。

国内のバイオマスの賦存量としては、平成12年2月2日の「第4回バイオマス活用推進会議資料:バイオマスをめぐる現状」(参考文献3)に掲載されたデータを基に著者が作成した<表2>に示した年間発生量があります。

間伐後林地に放置される林地残材および食品廃棄物の利用率は非常に低い(提供:塙藤徳氏)
間伐後林地に放置される林地残材および食品廃棄物の利用率は非常に低い(提供:塙藤徳氏)

バイオマスの利用率を見ると、間伐後林地に放置される林地残材および食品廃棄物は非常に低い利用率となっていますが、家畜排泄物、下水汚泥、紙、建築発生木材などは概ね高い値となっています。ただし、家畜廃棄物や下水汚泥、田畑への鋤き込みなどで再利用されている農作物非可食部などは、それぞれ堆肥化、下水処理、土中での分解の段階で、含有されるエネルギー化合物(炭化水素など)が微生物の働きにより分解され大気中に放出されてしまい、有効利用されていません。これらのエネルギーを有効利用するためには、人為的なメタン発酵技術などを用いたバイオガス化などによる利用を促進する必要があると考えられます。

<表2>に示された国内バイオマス年間発生量に対し、目標利用率をすべてエネルギー利用した場合の国内のバイオマスの持つ総発熱量は460PJ/年と予想され、これは、国内の一次エネルギー使用量20EJの約2.3%に相当します。また、NEDO再生可能エネルギー技術白書(第2版)(参考文献4)によれば、日本のバイオマスエネルギーのポテンシャルはおよそ510PJ/年であり、日本の一次エネルギー供給量19.8EJ/年の約3%(より正確には2.6%)に相当するとされ、バイオマス活用推進会議の値と近い値が示されています。

バイオマスの筋の良い利用法、適材・適地・適法の考え方

バイオマスのエネルギー源としての可能性を発電を中心に見て来ましたが、その利用方法は<図1>に示されたように発電のみならず、直接燃焼による熱利用、輸送用液体燃料、水素化もしくはエタノール化後の燃料電池としての利用やコークスの代替などさまざまな方法があります。これらの方法で例えば木質系のバイオマスを利用する際のエネルギー変換効率および総合利用効率の比較例を<図2>に示しました。

<図2>バイオマスを利用する際のエネルギー変換効率および総合利用効率の比較例(提供:塙藤徳氏)
<図2>バイオマスを利用する際のエネルギー変換効率および総合利用効率の比較例(提供:塙藤徳氏)

木質バイオマスを発電で利用する場合、石炭混燃に使い36%の送電端効率で発電し、成績係数(COP)3の家電で用いれば108%、電気自動車(EV)で利用すれば29%程度の総合エネルギー利用効率となります。直接焼発電設備のエネルギー変換効率は20%程度と言われており、その分、利用効率も低下し、COP3の家電で用いれば60%、電気自動車(EV)で利用すれば16%程度の総合利用効率となります。将来的にエネルギー転換効率が57%(送電端で54%)近くになると期待されているIGFC(石炭ガス化燃料電池複合発電)に用いれば、これらは、それぞれ162%および43%と高い値となります。

一方バイオマスを直接燃焼させ熱利用した場合、ボイラーおよび調理での効率はそれぞれ、85%および40%程度となり、前者の利用方法は、COPの高いヒートポンプと組み合わせた直接燃焼発電による利用よりも高効率です。ススが出ないため非常に使いやすい木炭は、歩留まりが悪いので、その分、総合エネルギー利用効率は低下することになります。特に途上国における「伏せ焼き」などの歩留まりの悪い(10%程度)炭化法を利用した際の総合利用効率は低くなります。

木質ドライバイオマスをエタノール化(歩留り25%)し、内燃機関(ICE)で燃焼させ自動車を走らせる場合の総合効率(現時点の最高エンジン効率は40%、車体効率は50%程度)は5%程度でしかなく、仮に80%程度の車体効率を持つハイブリッド車(HV)を用いたとしても木材の持つエネルギーの10%程度しか利用できません(参考文献5)。

<図2>には示されていませんが、発電設備の近くに熱需要があり熱電供給ができる場合は、エネルギー変換効率が20%程度しかない直接燃焼による蒸気ボイラーを利用した発電方法であっても、60%程度の熱利用が可能となり、総合効率は80%になります。あるいは発電した20%の電力をCOP3のヒートポンプで使用すれば総合効率は120%です。バイオマスのエネルギー利用法については、たとえ廃棄物であっても効率の良い方法で利用するのが筋のよりやり方ではないかと考えます。

バイオマス資源のエネルギー利用に当たっては、「収集・輸送・乾燥」が非常に大きな問題となります。運搬距離が50kmを超えるとコスト的に厳しくなると言われますが、逆に輸送距離が短くなる場合、収集可能なバイオマスの量は限定されて来るため、発電所は小規模となる矛盾が生じます。この場合の発電所の発電効率は20%程度であり、大規模石炭火力発電所で混燃する場合の36%程度に比べて低い効率となるため。この兼ね合いをどうしたらよいか悩ましい問題です。

バイオマスのエネルギー利用には、その地域に賦存するバイオマスの種類に応じ、またその地域のエネルギー需要に適した方法で利用する「適材・適地・適法」といった考え方が必要なのではないかと考えます。先にも述べたように日本全体のエネルギーに対する国内資源を利用したバイオマスの貢献度は、2〜3%程度でしかないため、都市や工業地域に対するエネルギーをバイオマスで供給するのは困難であると考えられます。

しかし、森林資源や農畜産業資源の豊富な地域においては、一定量の熱需要が確保できるならば、乾燥系バイオマスの固体燃料や湿潤系バイオマスのメタン発酵ガスを、ボイラーによる直接燃焼や調理・暖房などで熱利用したり、熱電供給を導入することによりエネルギー利用効率を高くすることが可能です。これにより小規模分散型のエネルギー自給社会(地域)が形成できるものと考えます。これらの地域はもともとエネルギー需要が多くないこともあり、再生可能エネルギーによるエネルギー自給率100%を超える地域(面積)が今後増加していくことが予想されます。

国内のエネルギー需要を海外のバイオマスを含めて議論するならば、パームオイル生産過程で大量に生じるパーム核殻(PKS、Palm kernel shell)やその炭化物、あるいは空果実房(EFB、Empty fruit bunches)などを輸入して沿岸部の大規模石炭発電所で混燃させることで国内の温室効果ガスの発生抑制に貢献することも可能です。実際に現時点で計画されている大規模なバイオマス発電は、ほとんどが輸入バイオマスに依存するものです。

バイオマスによる再生可能エネルギー社会の実現に向けて

NEDO再生可能エネルギー技術白書(第2版)(参考文献4)は、国際エネルギー機関(IEA)のデータを引用し、2008 年の世界のエネルギー需要は500EJであり、このうち50EJをバイオマスが占めており、そのうち31EJは伝統的なバイオマスであり、産業分野において8EJが近代的バイオマスとして利用されていると報告しています。

なお、伝統的なバイオマスとは、家庭の調理および暖房用の薪、木炭、農業残渣、家畜糞とIEAは定義しています(参考文献6)。50EJのバイオマスの総需要と31EJおよび8EJの差11EJは、家庭部門におけるペレットなどの近代的なバイオマスあるいは、アメリカ合衆国やブラジル等におけるエタノールなどの民間部門の輸送用燃料としての利用と予想されます。

したがって、前述の「(バイオマスの年間増加量の5%を採取し、それを歩留まり20%で利用すると仮定すれば)人類の使う総エネルギーの10%をバイオマスで賄える」状況は2008 年の段階で既に達成されていることに成ります。仮にバイオマスの採取量が増え、利用の際の歩留まりや効率をあげることが可能であれば、世界のエネルギー需要に対するバイオマスの貢献度は、さらに高まることに成ります。IEAは2050年のバイオマスによるエネルギー供給が100EJの熱電供給を含む160EJに増加すると予測しています(参考文献6)。

一方でバイオマスを家庭で調理や暖房に使う場合の不完全燃焼によるススに発生に基づく健康傷害や、ススの赤外線吸収能に基づく地球温暖化も懸念されており、世界保険機構(WHO)は、世界中で30億人の人々がクリーンな調理環境を持たず、毎年430万人の若年死亡が起きているとしています(参考文献7)。同様の認識をIEAも持っており、IEAはバイオマスエネルギーの使用拡大に関して取るべき政策や投資や研究開発など9つの手段の一つに、高効率なバイオマス調理器具の利用およびクリーンな燃料の使用をあげています(参考文献6)。ただし、この問題の重要性が国内においてほとんど認識されていないことには留意しておくべきと著者は考えます。

材料利用を優先したい木質バイオマス

木質バイオマスは、建築等の材料として用いる場合「狂う、腐る、燃える」という欠点を有していますが、単位重量あたりの圧縮強度がコンクリートや鉄のそれぞれ5倍および4倍であるという優れた特性を持っており、引っぱり強度も強いです。これは、木材が太陽光をエネルギー源として作られるセルロースとリグニンを主体とした複合的な巨大分子構造を持つためであり、木材の利用に当たっては、この特性を生かした材料としての利用方法を優先的に考えることが重要です(せっかく作られたセルロースやリグニン等の巨大分子を、バラバラにしエタノールや熱分解ガス等の低分子化合物として初めから燃やして利用するのは、もったいないことです)。

日本人は木の特性を生かして木造の住宅を作ってきましたが、最近では「引き板または小角材をその繊維方向を互いにほぼ平行して幅方向に並べまたは接着したものを、主として繊維方向に直角に積層接着して3層以上の構造を持たせた一般材」と定義される「直交集成板(CLT)」(参考文献8)と呼ばれる大断面の構造材が作られるようになり、これを利用した中高層建築に係る技術開発が進められています(参考文献9)。

中高層住宅・建物においても木材を積極的に使用して行こうという機運が高まりつつあり、国内の木造住宅メーカーが高さ350m(70階建て)の木造ビルの構想を公表(参考文献10)しています。世界的にも、都市に炭素を溜めることができ、製造過程で多量のエネルギーと二酸化炭素の発生源となるコークスを使用するCLTの利用が、コンクリートや鉄の代替として期待されています。

この技術の普及に伴い、一定期間炭素を都市空間に蓄積した後に、建物の耐久性が尽きた場合には、構造材の健全な部分を別の建物に利用し、最終的に再利用ができなくなった木材を発電や熱利用の燃料として効率よく使うカスケード的な利用法が木質バイオマスの利用法としては優れています。したがって、大量の二酸化炭素を排出すると非難されている石炭火力発電所(特に日本が開発中のIGCCなど高効率のもの)は、木質バイオマスを積極的に利用していこうという国や地域にとっては、木質廃棄物処理の観点からその存続が必須でしょう。

文/塙 藤徳(国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所 森林資源化学研究領域)

監修協力/日本太陽エネルギー学会

太陽エネルギーをはじめとする風力・バイオマス等の再生可能エネルギー利用、並びに、持続可能な社会構築に関する基礎から応用についての科学技術の振興と普及啓蒙を推進。

参考情報