日立ハイテクソリューションズの下川より、AI制御システム「RL-Prophet®」についてご紹介します。今回は、AI制御への切り替えでどのような効果が得られるのか、またどのようなことができる可能性があるのかについてお話しします。
バリュークリエーション事業ユニット
バリュークリエーショングループ
省人化、製造コストダウン、生産性向上。
AI制御はプラントに欠かせないものに。
AI制御が世の中に浸透すれば、プラントの操業、制御が高度化され、手動介入の必要性が抑えられることで省人化が進み、労働人口の減少などの課題に対応できるようになることが予想されます。他にも原材料やエネルギーロスの削減による環境負荷低減や製造のコストダウン、反応工程の短縮などによる生産性向上や、製品の品質向上、高付加価値化による製品価格の向上も期待できます。AIでなければ運転できないという事例も出てくるかもしれません。また、AI制御を導入したらPID制御は廃止するべきではなく、AIが学習している範囲からプラントの状態が外れた場合には、AI制御を中断し、PID制御に切り替えて運転することも必要だと考えています。そのため、「RL-Prophet®」ではフェールセーフとしてその切り替え機能を備えており、AI制御の制御演算と、PID制御などのお客さま環境の既存制御を伴走させる運用スタイルで、安心してご利用いただけます。
CO2排出量を抑えるなど、
環境性能の向上に貢献する可能性も。
たとえば、一定の生産、成果を保ったままで、かつCO2の排出量を極力抑えて運転したいという目標があった場合、従来の制御では、生産性を考慮しつつ、CO2があまり排出されない運転とはどのような運転か、またその運転を実現するにはどのような調整が必要かを考える必要があると思います。しかし、AI制御ならプラントの特性を包括して理想に沿う制御が可能。成果量の目標値と、許容できるCO2排出量を目標値(報酬獲得の条件)として設定すれば、リアルタイムでその時々の状況に応じて各目標値にスムーズに接近して維持するような運転を、過去の運転実績をもとに考え、制御をおこないます。
生産量の目標値とCO2排出の目標値の、両方を睨みながら有効な運転をすることも、学習の仕方によって可能になるのです。まだ検証段階ではありますが、引き続きお客さまとの協創を深め、カーボンニュートラルに貢献していきたいと考えています。
日立ハイテクソリューションズの
エンジニアチームが導入をサポート。
日立ハイテクソリューションズのAI制御「RL-Prophet®」では、過去の運転データだけで学習できる「新型強化学習」を採用しています。過去の経験から今はこういう行動を取ることが、将来にとってより良い運転であるということを先行的に考えて行動するという制御思想です。実際のプラントの実制御で試行錯誤しながら学習させる必要がなく、導入もしやすいため、PID制御を使っている化学プラントや食品プラントをはじめとするお客さまにぜひ導入を検討いただきたいと考えています。
まずは日立ハイテクソリューションズにお問い合わせいただければ、「RL-Prophet®」の機能や特長をより深くご説明します。ご理解いただいた後、お客さまプラントにおけるAI制御の対象や、適用した場合の想定効果、必要なデータや実現の難易度などの検討を、制御システムと本分野におけるAI開発経験の豊富なエンジニアチームがサポートします。また「RL-Prophet®」は過去のデータからモデル構築をおこなうため、PoCまではオフラインで検証をおこなうことが可能。実プラントに影響を与えることなく、AI制御の適用検討を始めることができます。その後の現地検証や導入後の保守やアップデートも、弊社グループが一貫してサポートを提供します。
リアルタイムAIプラント制御システム
次世代を担うAI制御については、さまざまなご質問をいただきます。
- 部分的にAI制御に切り替えることは可能か?
- 成果を確認できる事例はあるか?
- 費用は、導入までの期間は?
どのようなことでも構いません。お気軽にお問い合わせください。