イオンミリング装置 IM4000II
特長
高ミリングレート
IM4000IIは500 µm/h*1以上の断面ミリングレートを実現したイオンガンを搭載しています。 硬質材料の断面試料作製に有効です。
*1 加速電圧6 kV、マスクエッジからSiを100 µm突出させて1時間加工した際の最大深さ
試料:Siウェハ(2 mm厚)
加速電圧:6.0 kV
スイング角度:±30°
ミリング時間:1 時間
断面ミリング時のスイング角度が変わると、加工幅や加工深さが変化します。下図はSiウェハをスイング角度±15°で断面ミリングしたときの結果です。スイング角度以外は上記加工条件と同一です。上記結果と比べて加工深さが深いことがわかります。
深部に対象構造がある試料の迅速な断面作製には有効です。
試料:Siウェハ(2 mm厚)
加速電圧:6.0 kV
スイング角度:±15°
ミリング時間:1 時間
ハイブリッドミリング
断面ミリング
- 硬度やミリングレートが異なる組成で構成される複合材料でも平滑な断面試料を作製可能
- 加工条件の最適化でダメージを軽減
- 最大20 mm(W) × 12 mm(D) × 7 mm(H)の試料を搭載可能
断面ミリングの主な用途
- 金属や複合材料、高分子など、各種試料の断面作製
- 亀裂やボイドなどの欠陥解析のための断面作製
- 積層界面や結晶情報の評価・観察・分析のための断面作製
平面ミリング(フラットミリングⓇ )
- 直径約5 mmの範囲を均一に加工
- 目的にあわせた幅広い用途に利用可能
- 最大直径50 mm × 厚さ25 mmの試料を搭載可能
- ローテーション加工とスイング(±60°~± 90°の反転)加工の2種類が選択可能
フラットミリングⓇの主な用途
- 機械研磨では除去が難しい細かな傷および歪み除去
- 試料表面層の除去
- FIB加工ダメージ除去
オプション
冷却温度調整機能*1
デュワーに充填した液体窒素を冷却源として試料を間接冷却します。樹脂およびゴム系の試料の過冷却を防止する目的として温度制御する機能を搭載しています。
*1 本体同時出荷オプションです。
試料:プラスチックの使用量を抑える機能性材料(紙製)バリア素材
雰囲気遮断試料ホルダユニット
イオンミリング処理後の試料を大気暴露することなくSEM*1, AFM*2で観察するためのホルダです。本ホルダは冷却機能との併用も可能です(平面ミリングホルダは除く)。
*1 雰囲気遮断試料交換室付きの日立FE-SEMのみ対応。
*2 真空対応日立AFMのみ対応
加工時観察用実体顕微鏡
ミリング中の試料を観察できる実体顕微鏡です。CCDカメラが搭載できる三眼タイプではモニター観察が可能です。三眼タイプの他に双眼タイプも準備しています。
技術情報
仕様
主な仕様 | |
---|---|
使用ガス | Ar(アルゴン)ガス |
Arガス流量制御方式 | マスフローコントローラー |
加速電圧 | 0.0 ~ 6.0 kV |
大きさ | 616(W)×736(D)×312(H) mm |
質量 | 本体53 kg+ロータリーポンプ30 kg |
断面ミリング | |
最大ミリングレート(材料Si) | 500 µm/h*1 以上 |
最大試料サイズ | 20(W)×12(D)×7(H)mm |
試料移動範囲 | X±7 mm、Y 0 ~+3 mm |
イオンビーム間欠照射 ON/OFF時間設定範囲 |
1秒 ~ 59分59秒 |
スイング角度 | ±15°、±30°、±40° |
ワイドエリア断面ミリング機能 | - |
平面ミリング | |
最大照射範囲 | φ32 mm |
最大試料サイズ | Φ50 X 25 (H) mm |
イオンビーム偏心量 | X 0~+5 mm |
イオンビーム間欠照射 ON/OFF時間設定範囲 |
1秒 ~ 59分59秒 |
回転速度 | 1 rpm、25 rpm |
スイング角度 | ±60°、± 90° |
イオンビーム照射角度 | 0 ~ 90° |
*1 マスクエッジからSiを100 µm突出させて1時間加工した際の加工深さ。
オプション
項目 | 内容 |
---|---|
冷却温度調整機能*2 | 液体窒素による間接試料冷却、温度設定範囲 0 ~-100℃ |
高ビーム耐性マスク(Co-Zero®)*3 | 当社標準マスク比で約2倍のビーム耐性マスク(コバルト不含有) |
加工観察用実体顕微鏡 | 倍率 15×~100× 2眼タイプ、3眼タイプ(CCD対応) |
*2 本体同時出荷オプション。冷却温調使用時は、一部機能に制限があります。
*3 Co-ZeroⓇは日本国内における株式会社 日立ハイテクの登録商標です。
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