走査電子顕微鏡 SU3800/SU3900
特長
①大型試料に対応
- リスクを低減する試料交換シーケンス
- スループットを向上する試料交換室
- 自由度を高める、ステージ移動制限解除機能*
- ステージ移動の安全性を高める、チャンバスコープ*
- GUIに連携する、インチャンバカメラ対応
- 観察可能領域全域をカバー
- 360度回転に対応
②自動機能で操作性が進化
- オート調整のアルゴリズム改良。待ち時間が1/3以下(*S-3700N比)
- フォーカス調整の高精度化
- 独自のIntelligent Filament Technology(IFT)を搭載
③多彩なアクセサリ
- 高感度UVDの搭載で、CL観察も可能に*
- 高感度半導体反射電子検出器で、組成/凹凸など多様な画像切替可能
* オプション
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大型試料の観察、自動化、各種信号の相関観察など多様な観察ニーズに応える汎用SEMの特長的な機能をご紹介します。
①大型試料の解析に対応
■大型/重量試料対応ステージ
- リスクを低減する試料交換シーケンス
GUI上で試料交換時の手順が表示されます。人の誤動作による試料接触のリスクなどを回避で きます。高さを確認しにくい凹凸のある試料や大型試料でも安心して試料交換が可能です。
- スループットを向上する試料交換室*
試料交換装置を装着することにより、試料室を大気開放することなく試料 の交換ができ、スループットを向上できます。
- 自由度を高める、ステージ移動制限解除機能*
SU3800/SU3900は、ステージ移動の自由度を高めることができるステージ移動制限解除機能を搭載可能です。オペレータの判断に基づいて、自由にステージ移動を行うことができます。
* ステージ移動制限解除機能は、チャンバスコープ搭載時に使用可能です。
- ステージ移動の安全性を高める、チャンバスコープ*
チャンバスコープは、試料室内部をモニタするための装置です。赤外線カメラを用いることで、SEM画 像を観察しながら同時に試料室内部のモニタリングが行えます。より詳細な位置を把握するためにチャンバスコープ画像の拡大や、観察位置の移動も可能となりました。
* オプション
■可動範囲を全域サポート、大型試料の全域観察を実現したSEM MAP
- GUIに連携する、インチャンバカメラ対応
GUIに連携するSEM MAPは、インチャンバカメラでありながらより広角のカメラナビゲーション*を実現。 SEM MAP上で観察目的位置を指定することで、任意の位置にスムーズに移動できます。広域カメラナビ ゲーションシステムで撮影した画像や外部画像を使用し、画像上で自在にズームイン/アウトすることで、 広い視野のカラー画像から高倍率のSEM像に切り替えることができます。
* オプション
- 観察可能領域全域をカバー
画像つなぎ対応による広域SEM MAPを実現。観察領域は、127mm径
(SU3800)/200mm径(SU3900)とし、ステージローテーションと連動して、大型試料の最大観察領域に移動が可能です。
- 360度回転に対応
試料と検出器の位置関係をつかみやすいGUIによって、回転による操作でも、スムーズに観察箇所へ移動できます。凹凸の激しい試料の観察/分析でも、SEM MAP を見ながらステージやスキャンの方向を回転させることで、影の影響などを回避することができます。
②自動機能で操作性が進化
■マウスひとつでオペレーション可能なシンプルGUI
画面をタッチするようにクリックするだけの、簡単操作を実現したシンプルGUIを搭載しています。
- マウス操作だけでステージの移動から観察まで対応可能
- タッチパネル操作にも対応可能
- メインウィンドウは、1280x960画素と大型化
- 表示モードを切替え異なる2種の信号を同時表示/撮影可能
■様々な自動機能
- オート調整のアルゴリズム改良。待ち時間が1/3以下(*S-3700N比)
試料セット終了後、電子ビーム照射から各種画像調整がオート化されており、観察開始後すぐに試料像が取得できます。新設計アルゴリズムによる高速オート機能により、画像調整オート機能実行時の待ち時間を従来比1/3以下に短縮。煩わしい画像調整がなく、高スループットでデータ取得が可能です。
- 新アルゴリズムによる、フォーカス調整の高精度化
オートフォーカス調整のアルゴリズムを改良することで、従来調整しにくい平坦な試料でも良好な画像を得やすくなりました。
- 独自のIntelligent Filament Technology(IFT)を搭載
フィラメントの状態を自動で監視・制御することで、フィラメントの長寿命化を実現。
フィラメントの交換時期の目安を表示するモニタリング機能を搭載。
従来対応が困難であった長時間の連続観察や粒子解析などの広域分析でも安心して使用することができます。
■複数領域の広域観察を可能にする、Multi Zigzag*
Zigzag機能は連続した視野を自動的に取得できます。Multi Zgzagは試料台上の複数の箇所でZigzag設定が可能で、複数枚の高倍率画像を異なる視野で撮影でき、取得した画像をViewer機能でつなぎ合わせることで広域画像を作成できます。
* オプション
- 取得データによる報告書作成を一括サポート、Report Creator
Report CreatorはSEM像だけでなく、EDSデータやCCDカメラ画像など取得した画像を一括で報告書を作成できます。作成した報告書はMicrosoft® Officeフォーマットに対応し、保存が可能です。保存したデータはMicrosoft® Officeフォーマットで編集可能です。
③多彩なアクセサリ
■多目的大型試料室により豊富なアクセサリ搭載可能
大型多目的対応チャンバを標準搭載。In-Situ解析にも対応しています。
■SEM/EDSインテグレーションシステム*
SU3800/SU3900 のために、新たに開発されたSEM/EDSインテグレーションシステムは、SEM側から解析個所の決定、条件設定、分析、レポートと一連の操作を一体化しました。SEM側からすべてをコントロールすることによって、スループットを向上し、オペレーターの負担を軽減します。
■多様な観察ニーズに対応する検出器
- 高感度UVDの搭載で、CL観察も可能に*
SU3800/SU3900は高感度UVDを搭載。UVDはバイアス電極によって加速された二次電子と残留ガス分子の衝突によって発生した光を検出することにより、二次電子情報を持った画像やCL情報を取得することができます。
- 高感度半導体反射電子検出器で、組成/凹凸など多様な画像切替可能
4分割+1素子のデザインを採用し、素子ごとの演算を行うことで組成像や3D像、さらに試料の回転を行うことなく4方向からの凹凸像観察が行えます。検出器のスリム化と高感度化により、高分解能/高S/N化を実現しています。
■STEMホルダー(オプション)
- 簡易的な透過電子像が観察可能です。
新開発のSTEMホルダーと高感度低真空二次電子検出器(UVD)を
組み合わせて使用することで、簡易的な透過電子像の取得が可能となります。
薄膜試料や、生体サンプルの観察に有効です。
■3次元モデル表示・計測ウェアHitachi map 3D*
Hitachi map 3Dは、SU3800/SU3900に搭載された4分割反射電子検出器によって取得した、方向が異なる4つのSEM像を演算して3Dモデルを構築します。2点間の高さ寸法計測や体積測定、簡易表面粗さ(面粗さ、線粗さ)などの計測が可能。4つのSEM画像は1度に検出されるため、試料傾斜、複数画面の視野合わせが必要ありません。
■画像計測ソフトウェアImage-Pro®をサポート
SU3800/SU3900は、米国Media Cybernetics社製画像処理ソフトウェアImage-Pro®にSEM画像を転送する機能IPIを搭載しています。SEM画像から高機能な画像計測ソフトウェアにワンクリックでデータを移行できます。
技術情報
仕様
項 目 | SU3800 | SU3900 | |
---|---|---|---|
二次電子分解能 | 3.0nm(加速電圧30kV、WD=5mm、高真空モード) | ||
15.0nm(加速電圧1kV、WD=5mm、高真空モード) | |||
反射電子分解能 | 4.0nm(加速電圧30kV、WD=5mm、低真空モード) | ||
観察倍率 | ×5~×300,000(写真倍率*1) | ||
×7~×800,000(実表示倍率*2) | |||
加速電圧 | 0.3kV~30kV | ||
低真空度設定 | 6~650 Pa | ||
イメージシフト | ±75µm(WD=10mm) | ||
最大試料寸法 | 200mm径 | 300mm径 | |
試料ステージ | X | 0~100mm | 0~150mm |
Y | 0~50mm | 0~150mm | |
Z | 5~65mm | 5~85mm | |
R | 360°連続 | ||
T | -20°~+90° | ||
最大観察可能範囲 | 130mm径(R併用) | 200mm径(R併用) | |
最大観察可能高さ | 80mm(WD=10mm) | 130mm(WD=10mm) | |
モータドライブ | 5軸モーター駆動 | ||
電子光学系 | 電子銃 | プリセンタードカートリッジタイプタングステンヘアピンフィラメント | |
対物レンズ絞り | 4孔可動絞り | ||
検出系 | 二次電子検出器、高感度半導体反射電子検出器 | ||
EDX分析WD | WD=10mm(T.O.A=35°) | ||
画像表示 | 自動軸調整機能 | ビーム調整オート(AFS→ABA→AFC→ABCC) | |
光軸調整(カレントアライメント)オート | |||
ビームブライトネスオート | |||
自動画像調整機能 | オートブライトネス&コントラストコントロール(ABCC) | ||
オートフォーカスコントロール(AFC) | |||
オートスティグマ&フォーカス(ASF) | |||
オートフィラメントサチュレーション(AFS) | |||
オートビームアライメント(ABA) | |||
オートスタート(HV-ON→ABCC→AFC) | |||
操作補助機能 | ラスターローテーション、ダイナミックフォーカス、画質改善機能、データ入力(2点間計測、角度計測、文字)、プリセット倍率、ステージ位置ナビゲーション機能(SEM MAP)、ビームマーキング機能 | ||
オプション | ■ハードウェア:トラックボール、ジョイスティック、操作パネル、コンプレッサ、高感度低真空検出器(UVD)、チャンバスコープ、カメラナビゲーションシステム ■ソフトウェア:SEM Data Manager、外部通信インターフェース、3D-Capture、ステージ移動制限解除機能、EDSインテグレーション | ||
オプション(外部装置) | エネルギー分散型X線分析装置(EDS)、波長分散型X線分析装置(WDS)、 各種外部ステージ(加熱ステージ、冷却ステージ、引っ張りステージ) |
*1 127mm×95mm(4×5写真サイズ)を表示サイズとして倍率を規定。
*2 509.8 mm×286.7 mm(1,920×1,080の画素表示)を表示サイズとして倍率を規定。
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