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日立ハイテク
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水資源の保全への取り組み

基本的な考え方

日立ハイテクグループは、冷却用水の循環利用や節水型設備投資などを通じ、水の利用効率を2050年度までに基準年度に対し50%以上改善することを目標とし、高度循環社会の実現をめざしています。また、事業活動における水リスクの最小化にも取り組んでいます。

第三者保証について

本レポートの信頼性向上のため、を付している2023年度実績について、ソコテック・サーティフィケーション・ジャパン株式会社による、国際保証業務基準(ISAE)3000およびISO14064-3に準拠した第三者の保証を受けています。

取り組み

水資源の有効活用

当社グループでは、生産性向上および節水型設備への更新などによる用水使用量の削減に取り組み、水の利用効率向上に努めています。2023年度は、「水使用量原単位改善率48.9%(基準年度2010年)」を目標として活動を進め、67.9%となりました。また、毎年、日立ハイテクグローバルにおける水ストレス評価および国内全拠点における水リスク評価を実施しています。高ストレス・高リスクとなる事業拠点はありませんが、今後も定期的に評価するとともに、リスク低減可能な拠点についてはリスク回避に努めていきます。

水リスクへの対応

当社グループでは、独自のチェックリスト「水リスク評価シート」を利用して国内拠点は年4回、海外拠点は年1回、水リスクの確認をしています。また、WRI Aqueductの水ストレス地図ツールを用いて、拠点の水ストレスレベルを一覧表にして把握しています。なお、水ストレスレベルが最高点5となった場合、「水ストレスが高い拠点」と定義しています。
さらに当社グループは、日立グループ共通の「サステナブル調達ガイドライン」を用いて、すべてのサプライヤーに対し、水リスク対策に関する協働を求めています。具体的には、サプライヤー自身の水利用量削減や水質保全に関してのサプライヤーの遵守事項と行動規範などです。

パフォーマンス

水資源の削減目標と実績

当社グループでは、国内の製造・販売・サービス拠点を10のサイトに分け、水利用効率の改善に取り組んでおり、特に用水使用量の多い国内製造7サイトにおいて、循環水利用や節水型トイレなどの設備投資などに取り組んでいます。

国内水使用量 原単位改善率の推移

水使用量原単位の改善率推移のグラフ

* 対象範囲:日立ハイテク(支店を除く)、国内製造系グループ会社(東京ソリューションラボを除く)およびサービス系会社

* 原単位改善率:基準年度に対する改善率{(1-当該サイトの当該年度の原単位/当該サイトの基準年度の原単位)× 当該サイトの基準年度の環境負担構成割合を国内グループ会社で積算}

国内水取水量の推移

国内水使用量の推移のグラフ

* 対象範囲:日立ハイテク製造拠点、国内製造系グループ会社、 国内販売系およびサービス系会社

供給元別国内取水量

(m3

供給元 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
上水 59,057 34,670 54,946 64,720 88,054
工業用水 297,772 269,990 244,521 229,884 248,611
地下水 97,581 89,870 101,760 79,892 83,976
海水 0 0 0 0 0
合計 454,410 394,530 401,227 374,496 420,642

* データ範囲:
本社地区・那珂地区・笠戸地区・埼玉地区・日立ハイテクマニファクチャ&サービス(南サイト・那珂西サイト)・日立ハイテクサイエンス富士小山事業所(旧小山事業所)・日立ハイテクソリューションズ水戸・日立ハイテク九州・日立ハイテクフィールディング

* 日立ハイテクサイエンス小山事業所は、2020年2月に事業所名を富士小山事業所に変更しました。

排出先別国内排水量

(m3

排出先 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
下水 125,743 112,964 137,143 132,578 146,043
河川 284,990 216,226 220,919 179,195 201,780
海域 16,563 8,749 12,097 9,252 10,783
製品含有(消費) 370 347 406 368 367
その他(消費) 26,744 56,244 30,662 53,103 61,669
合計 454,410 394,530 401,227 374,496 420,642

* データ範囲:
本社地区・那珂地区・笠戸地区・埼玉地区・日立ハイテクマニファクチャ&サービス(南サイト・那珂西サイト)・日立ハイテクサイエンス富士小山事業所(旧小山事業所)・日立ハイテクソリューションズ水戸・日立ハイテク九州・日立ハイテクフィールディング

* 2018年度より、飲用、消防水、地下浸透などによる消費量は「その他(消費)」にて計上

* 日立ハイテクサイエンス小山事業所は、2020年2月に事業所名を富士小山事業所に変更しました。

海外取水量の推移

画像:海外取水量の推移のグラフ

* 対象範囲:海外現地法人

* 2017年度より取水量が把握できない販売拠点について、取水量を把握している販売拠点の取水量と従業員数に基づき推定計算にて算出

* 2023年度の算出拠点は、2022年度の76拠点から79拠点に増加

* 2019年度から2022年度の中国(販売系)一部実績を製造拠点に変更

供給元別海外取水量

(m3

供給元 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
上水 59,526 79,437 93,330 138,281
工業用水 0 1,354 11,174 0
地下水 289 1316 1,830 166
リサイクル水 0 1675 1,999 300
合計 59,815 83,782 108,333 138,747

排出先別海外排水量

(m3

排出先 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
下水 43,704 76,350 94,456 115,445
河川 754 690 498 160
海水 0 612 0 0
地下浸透 36 429 3,212 261
消費 15,321 5,701 10,167 22,881
合計 59,815 83,782 108,333 138,747.27

* 小数点以下の数値の関係上差異が発生します

製造拠点でのサプライヤーリスクマネジメント

当社グループの国内の製造拠点である那珂工場と笠戸工場では、環境マネジメントシステムを運用していく中で、依存率の高いサプライヤーに対し毎年「間接的影響評価表」を用いて水の管理状況等を確認し、環境影響評価を実施しております。この評価は年1回実施しており、評価項目ごとの評価基準に則りサプライヤーの評価を行います。評価項目は環境関連のエネルギー使用量および水使用量や、法規制対応状況となります。水の項目については取水量や種類、排水の放出先や法規制に関する確認を実施しています。加えて、WRI Aqueductの水ストレス地図でサプライヤー所在地域の水リスク調査を実施しています。評価の結果、環境負荷量が多いサプライヤーに対しては現地確認を実施し、必要に応じて改善要求を行います。

「CDP*」による評価

当社グループでは、水セキュリティ質問書への回答を行っており、2023年度は「環境問題の管理においてベストプラクティスを行っている」とされる最高評価「リーダーシップ:A」の評価を得ました。日立ハイテクグループにおける水リスク管理(把握)を継続していくとともに、リスクへの施策・対応を立案し、企業価値の向上に努めていきます。

* CDP:英国の独立非営利団体。世界の投資家の依頼を受け、企業の「気候変動」 「ウォーター(水)」「フォレスト(森林)」に関する情報を調査し、評価・公開しています