液体クロマトグラフ(HPLC)基礎講座 第2回 HPLCの原理とシステム構成(2)
クロマトグラフィーによる定性・定量の考え方
クロマトグラフィーを用いた定性・定量分析について分析例をもとにして説明します。
定性
アスパルテームの標準試料を測定すると12.5分にピークが溶出しました。これがアスパルテームのピークです。次に同じ条件で清涼飲料水を前処理した試料を測定します。ピークがいくつか検出されますが、同じ12.5分に溶出しているピークがアスパルテームであると判断します(図1)。
同じ条件とは、充填剤、カラムサイズ、カラム温度、移動相組成、流量が同一であることを指します。
定量
ピーク面積・高さは成分濃度に比例します。標準試料で検量線を作成し、清涼飲料水で検出されたアスパルテームのピーク面積から、濃度を求めます。
注意しなければならない点は、アスパルテーム以外にも同じ時間に溶出する成分が存在する可能性があるため、定性については不確実な要素が多いことです。 したがってLC・GCは試料に何が入っているかを調べるより、ある成分がどのくらい入っているかを調べるのが得意な装置です。また、定量には検量線の作成が必要です。 標準試料が入手できない成分の定性・定量は非常に難しくなります。