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液体クロマトグラフ(HPLC) アプリケーション

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食品【期間限定公開 2025年1月末まで】

ビタミン ビタミンは必須の栄養素であり、水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンに区分されます。今回は水溶性ビタミン9成分を逆相カラムで一斉分析し、DADで検出しました。DADを用いることで、検出されたピークを吸収スペクトルによる同定を行うことが可能となるため、食品のような夾雑成分の多い資料には特に有効です。
トレハロース(trehalose)はグルコースが結合してできた天然の二糖類です。抽出法が難しく高価なものでしたが、近年デンプンから大量生産する技術が確立されました。トレハロースには保湿効果などもあり、加工食品だけでなく化粧品などにも広く利用されています。
トレハロースを含む糖10成分の測定例、約45分で分離しました。ポストカラム法-蛍光検出で高感度・高選択性が特長です。
ポリフェノール イソフラボンは、大豆の胚芽に含まれる植物性ポリフェノールの一種です。ここではDADシステムで納豆・豆乳を測定した例を前処理とあわせて紹介します。
食品添加物 コチニール色素はキノン系色素であるカルミン酸を主成分とする赤色の着色料で、エンジムシ(中南米原産の昆虫)から得られます。また食品衛生法で定められた既存添加物リストに収載され、食品や医薬品、医薬部外品、化粧品などに広く利用されています。コチニール色素の試験法としては、衛生試験法にTLCが記載されていますが、参考法としてHPLCを用いた測定例も紹介されています。今回はこの測定条件に準じて、HPLC-DADを用い食品中のカルミン酸を測定しました。カルミン酸の定性にはピークの保持時間に加え、DADの吸収スペクトルによる確認も合わせて行いました。
アミノ酸 自然界に存在するアミノ酸は数百種類あることが知られていますが、タンパク質やペプチドを構成するアミノ酸は約20種類です。このアミノ酸を対象とした分析法を日立ハイテクでは、「標準分析法」と呼んでいます。それに対し遊離アミノ酸約40成分を対象とした分析法を「生体液分析法」と呼んでいます。
またアミノ酸はUV吸収が弱いため、通常は誘導体化して測定します。カラム溶出後反応試薬を混合するポストカラム法の誘導体化試薬には、ニンヒドリン(NIN)とオルトフタルアルデヒド(OPA)があり、それぞれ異なった特徴があります。
今回は、タンパク質加水分解アミノ酸を対象とし、ニンヒドリン試薬を用いたポストカラム法を紹介いたします。この試薬は安定で、寿命が長いことが特長です。溶離液と反応液は、市販キットを使用できます。また再現性も良好でルーチン分析に向いています。検出では、これまで570 nmで行っていましたが、5420UV-VIS検出器の2波長測定機能を用い440 nmを同時に測定することでPro(プロリン)の感度向上を図りました。
今回は遊離アミノ酸約40成分を対象とし、ニンヒドリン試薬を用いて誘導体化するポストカラム生体液分析法を紹介いたします。ニンヒドリン試薬は安定で、寿命が長いことが特長です。溶離液と反応液は、市販キットを使用できます。また再現性も良好でルーチン分析に向いています。検出波長はこれまで 570 nm でしたが、5420 UV-VIS検出器の2波長測定機能を用い 440 nm を同時に測定することでPro(プロリン)とHypro(ヒドロキシプロリン)の感度向上を図りました。

環境

上下水
環境水
「水質基準に関する省令の規定に基づき厚生労働大臣が定める方法(平成15年厚生労働省告示第261号)」では、水質中のシアン化物イオンおよび塩化シアンの測定にはイオンクロマトグラフ-ポストカラム法を用いる事が定められています。分析法は、シアン化物イオンと塩化シアンをそれぞれ定量した後、両者を合計してシアン濃度を算出します。基準値はシアンの量として、0.01 mg/L以下と定められています。また測定精度は「基準値の1/10(0.001 mg/L)を変動係数10%以内で測定すること」と定められています。この試験法に準拠して、日立高速液体クロマトグラフChromasterで測定した例を紹介します。標準試料に加え、水道水や超純水に添加した測定例も示します。
水質基準で定められた検査方法に準じて、陰イオン界面活性剤を測定しました。検査方法は告示の別表第24「固相抽出-HPLC法」として、基準値は陰イオン界面活性剤5成分の合計0.2 mg/L(各0.04 mg/L)として定められています。基準値の1/10相当濃度(前処理で250倍濃縮後各成分1 mg/L)の分析例をご紹介いたします。試料によっては前処理で用いられるトルエンが、陰イオン界面活性剤の成分と重なり定量に影響を与えることがありますが、本条件ではトルエンはC12とC13の間に溶出し、陰イオン界面活性剤との分離が可能です。
チウラム(thiuram)は、ジチオカーバメート系の殺菌剤やゴム製造での加硫促進剤として使用されています。「ゴルフ場で使用される農薬による水質汚濁の防止に係る暫定指導指針」(1、2)では、指針値は0.06 mg/Lに設定されており、前処理において固相抽出により100倍濃縮されます。また、「水質汚濁に係る環境基準」(3)の基準値は0.006 mg/Lに設定されており、前処理において溶媒抽出で200倍あるいは固相抽出で500倍濃縮されます。今回超高速液体クロマトグラムでDADを用いて測定しましたのでご紹介いたします。
大気
粉じん
家の建材や内装等から放散する化学物質で汚染された空気が、人体に様々な健康障害をもたらし、シックハウス症候群として問題となっています。それに伴い日本では、2002年から2003年にかけて文部科学省、国土交通省、厚生労働省で、ホルムアルデヒドや揮発性有機化合物(VOC)などの化学物質の測定が義務付けられました。また、2009年より、ホルムアルデヒドを製造、また取り扱う作業全般について、作業環境測定管理濃度が定められました。その測定法にはHPLC法が採用されており、大気中のアルデヒド類を2,4-ジニトロフェニルヒドラゾン(DNPH)含浸した捕集管に捕集し、誘導体化した後、溶媒抽出した試料をHPLCで測定します。今回は8成分アルデヒド-DNPH混合標準液を測定した例をご紹介いたします。
アルデヒド類は「シックハウス症候群」の主な原因物質の一つとされ、2,4-ジニトロフェニルヒドラジン(DNPH)で誘導体化固相吸着/溶媒抽出-高速液体クロマトグラフ法で分析されています(生衛発第1093号,2000.6.30)。室内空気はDNPH含浸カートリッジで捕集されますが、カートリッジから微量の夾雑物が溶出します。ブランクをとることで、多くの場合問題になりませんが、今回はその夾雑物の影響の排除を検討しました。今回の室内空気を捕集した試料において、一般的な逆相カラムLaChromUltra C18を用いた分析では、ホルムアルデヒドのピークに夾雑物のピークが重なります。LaChromUltra C18-AQカラムは夾雑ピークの溶出位置が変化し、ホルムアルデヒドのピークに重なりません。このように夾雑ピークとの分離には分析条件の変更のみでなく、特性が異なるカラムの利用が有効な場合があります。LaChromUltra C18-AQはC18と同じ分析条件で試行できるので、このような目的に適しています。

化学・材料【期間限定公開 2025年2月末まで】

工業薬品 トリクロロ酢酸(TCA)は、除タンパク剤、腐食剤、除草剤、医薬品原料などに用いられ、強酸で腐食性や潮解性をもちます。このような高極性化合物をHPLCで測定する場合、酸性条件下において保持が大きい耐酸性のカラムを選択する必要があります。LaChromⅡC18カラムは、無機-有機複合型シリカ素材を母剤に採用し、ポリメリックタイプの表面修飾によりpH1-12の広範囲な移動相を使用することが可能です。今回は、LaChromⅡC18カラムを用いた酸性移動相条件下におけるTCAの測定例をご紹介いたします。
2016年9月、米国食品医薬品局(FDA)が、トリクロサン等19成分を含有する抗菌石けんを米国において1年以内に販売を停止する措置を発表しました。この措置を踏まえ、厚生労働省では、有効成分として対象成分を含有する既承認の薬用石けんに関しては、対象成分を含有しない製品への切り替えの検討を進め、平成29年9月30日までに代替新規申請または承認整理をおこなうこととしました。(薬生薬審発0930第4号、薬生安発0930第1号)
今回、トリクロサンの代替品として高速液体クロマトグラフィーによる定性および定量法を参考に、UV/蛍光検出器を直列に接続して分析を行いました。
高分子 量子ドットは直径数nmの半導体素材(CdSe/ZnS)からなるナノ粒子で、蛍光を示します。長時間の励起光照射でもほとんど退色せず検出感度が高い、大きさにより発光波長が異なるといった特徴を持ち、バイオ分野では生細胞イメージングや細胞動態研究への利用に注目が集まっています。従来の蛍光試薬のように細胞毒性のある退色防止剤や添加剤を必要とすることなく、微量な生体試料を精確に検出・定量することができると期待されています。量子ドットの評価方法としては電子顕微鏡や分光蛍光光度計が利用されていますが、サイズ排除クロマトグラフィーにより分析を行うことができました。
海洋プラスチックごみ問題は世界的な課題となっており、プラスチックの3Rや再生可能資源への代替など、プラスチック資源循環体制の構築に向けた取組みが盛んになってきています。日本におけるペットボトルのリサイクル率は84.6%と欧米と比較しても高い水準で、回収されたペットボトルはペットボトル(ボトルtoボトル)、シート、繊維などに再利用されています。今回は、環境省がとりまとめた「特定調達物質等の表示の信頼性確保に関するガイドライン」を参考に、ペットボトル由来のリサイクルポリエステルを使用した衣類、バージンポリエステルを使用した衣類、およびメカニカルリサイクルのペットボトルに含まれるポリエチレンテレフタレートの環状オリゴマーを溶解再沈法で抽出し、HPLCで測定した結果をご紹介します。
インク フタル酸エステルはプラスチックに柔軟性を与える可塑剤として使用されています。特に塩化ビニルの可塑剤として利用されています。その他、ゴム、接着剤、塗料、インク等へ使用されている場合があります。フタル酸エステルは内分泌攪乱化学物質(環境ホルモン)として、人への影響に関して心配されており、各国でフタル酸エステルを子供の玩具等へ使用する事が規制されていたり(厚労省告示第267号 食品、添加物等の規格基準)、水質汚濁に係る環境基準(環規水121号)の対象化合物として管理されています。EUでは電気電子製品を対象に、特定の有害物質の使用を制限する指令(RoHS指令)において、フタル酸ジブチルベンジル(BBP)、フタル酸ジブチル(DBP)、フタル酸ジイソブチル(DIBP)、フタル酸-2-エチルエキシル(DEHP)が許容最大濃度0.1%と規制されています。スクリーニング分析においては、加熱式脱離質量分析計や熱分解GC-MSが使用されますが、インクは粘着性のある液体のため上記の装置では取り扱いが困難です。今回、高速液体クロマトグラフを用いて市販インク中のフタル酸エステルのスクリーニング分析をおこないましたので報告いたします。

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