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高感度型示差走査熱量計 DSC7000Xで、高機能材料開発における熱物性評価の課題を解決

最先端の高機能材料開発において、
・複合材料中の微量成分が測定できない
・ガラス転移が捉えられない
といったお悩みを抱えてはいませんか?

優れた感度と再現性によりデータの信頼性を向上させた、日立ハイテクサイエンスの高感度型示差走査熱量計 DSC7000Xは、その特長を活かし、高機能材料分野での熱物性測定に威力を発揮します。
本ページでは高機能材料開発における測定事例をご紹介します。

高感度DSCを用いたポリエチレン(PE)マトリックス中のポリプロピレン(PP)の解析

材料や製品中の異物は不良を引き起こす恐れがあるため、異物を解析し混入の原因を究明することが重要です。異物が高分子材料の場合には熱分析によって熱履歴の情報を得ることができるため、混入経路の特定が期待されます。
しかしながら、異物の試料量は極少量であることが多く、熱分析装置には異物の微小な変化を確実に捉える“感度”と、主成分と異物の変化を分離する“分解能”が求められています。
世界トップレベルの感度と分解能を有するDSC7000Xを用いた高密度ポリエチレン(HDPE)マトリックス中のPPの熱履歴を検討した事例を紹介します。

測定例:高密度ポリエチレン(HDPE)中のポリプロピレン(PP)

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世界トップレベルの感度と分解能を有するDSC7000Xを用いてHDPEマトリックス中のPPの融解ピークを観測する事に成功しました。HDPEマトリックス中のPPの融解ピークは1st runでは164℃、2nd runでは161℃で観測されました。
HDPEに混入したPPと同一のPPの融解ピークも1st runでは164℃、2nd runでは161℃で観測されます。
以上の結果は、HDPEマトリックス中にあってもPPの熱履歴の検討が可能である事を示します。高分子材料の熱履歴は、製造工程で混入したものか否かの判断材料の一つとなるため、異物解析の手法として有効です。

温度変調DSC法による熱硬化性樹脂の評価

熱硬化性樹脂は、加熱により硬化反応が進行し、3次元架橋構造を持つことで硬くなるため、電子基板や接着剤のほか、FRP(繊維強化プラスチック)、船舶、航空機、自動車などの材料に用いられています。
熱硬化性樹脂の硬化度や機能性の判定は、DSCを用いたガラス転移の評価で多く行われます。ただし、未硬化分の反応ピーク(発熱)がガラス転移領域に重なって現れる場合、ガラス転移の判断が難しくなります。
ここでは、温度変調DSC法により、熱硬化性樹脂成型品(フィラー入り)と熱硬化性接着剤のガラス転移を観測した例を紹介します。

測定例:熱硬化性樹脂成型品(フィラー入り)のガラス転移

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測定例:熱硬化性接着剤のガラス転移

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温度変調DSC法により、熱硬化性樹脂の硬化反応の発熱ピークを分離し、ガラス転移の存在が明確になりました。ガラス転移に不可逆性の現象が重なり、DSC曲線のガラス転移による階段状シフトが明確ではない場合、温度変調DSC法がガラス転移の判定や解析に有効です。

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