セルの話
一般に自動分析装置に使用されているセルには、ガラス製とプラスチック製があります。
日立はメンテナンス性およびデータの信頼性を考慮して、現在発売中の自動分析装置には、セミディスポ(一定期間ごとに交換)のプラスチックセルを採用しています。
プラスチックセルには、アクリル系の「標準セル」、素材を改良した「特殊セル」、7170から採用した「特殊新セル」の3種類があります(下表ご参照)。
特殊セル、特殊新セルでは、TTT も他項目と混在して測定可能です。
表1.機種別セル材質対応表
機種 | 材質 | ||
---|---|---|---|
標準セル | 特殊セル | 特殊新セル | |
7070 | ○ | ||
7150 | ○ | ○ | |
7170 | ○ | ||
72/73/7450 | ○ | ○ | |
7020 | ○ | ||
7080 | ○ | ||
7180 | ○ | ||
9000 | ○ | ||
7600/7700 | ○ | ||
LABOSPECT003/006/008 | ○ |
セルの交換時期
セルのメンテナンスについてポイントをご説明します。
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セルブランクアラームが目立ち始めたら
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ランプの保証時間は、750時間です。複数の分析ユニットを持った装置で、同時に交換した新しいセルを使用する場合は、メンテナン-ス画面にてセルブランク測定を実行してください。
ここでは、No.1のセルとの吸光度の差を、セル一つひとつについて波長毎にデータとして印字します。このデータは装置内に記憶され、検体測定時のセルブランク値と比較されます。そして 0.1Abs 以上の差が出ると、セルブランクアラームが表示されます。
また、このデータはセル個々のバラツキを表しています。差が±800カウント(±0.08Abs)以上のセルは、取り外して清掃または交換してください。
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ランプの保証時間は、750時間です。複数の分析ユニットを持った装置で、同時に交換した新しいセルを使用する場合は、メンテナン-ス画面にてセルブランク測定を実行してください。
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測定データにノイズ、リニアーのコメントがついた時
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フォトメータチェックなどで光出力が正常でも、短時間内のふらつきはチェックできません。
ノイズレベルは、吸光度によっても変わります。試薬の吸光度により、ノイズ、リニアーのつき方は一定ではありません。
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フォトメータチェックなどで光出力が正常でも、短時間内のふらつきはチェックできません。
セル不良と見間違う現象
光源ランプから出た光は、収光レンズ→熱線カットフィルター→反応槽→セルを透過して、検知器に到ります。 この系内で不安定要素があると、見かけ上セル異常となります。
- ランプの寿命は?
- 反応槽水に汚れ、浮遊物はないか?
- セル洗浄水はきちんと出て、廃液は完全に吸い上げられているか?
- ハイタージェントボトル、セル洗剤ボトルが空になっていないか?
- セルブランク測定水は十分か?
を確認してからセル交換すると良いでしょう。
以上のことは、フォトメーターチェックにおいても同様です。
その他
測定項目の組み合わせにより、汚れが沈着・吸着する場合があります。このような場合は、洗浄プログラムを活用することでセルの寿命が延びることがあります。