原子吸光光度計基礎講座 第1回 原子吸光光度計とは?
原子吸光光度計とは
Q: 「原子吸光光度計って何を測定するの?」
A: おもに金属元素の濃度を測定する(定量分析)装置です。
Q: 「金属元素ってどんな元素?」
A: 金属の単体に相当する元素のことで、例えば、私たちの骨の元になっているカルシウムやアルカリ飲料水に含まれているナトリウムやカリウムなどは金属元素です。 下に示した周期律表に測定可能な金属元素を記すので参考にしてください。
- 69の元素が分析できます。
- 網かけした元素が測定可能です。
- 元素により準備する周辺装置が異なります。
Q: どれくらいの濃度が測定できるの?」
A: ppmからppbのオーダまで測定できます。
Q: 「ちょっと待って、ppmやppbって何?」
A: %と同様、濃度を表す単位で、ppmのmはミリオン、ppbのbはビリオンのこと。つまり、1%は百分の一、ppmは百万分の一、ppbは十億分の一を示しています。もっとわかり易く言えば1%とは百人中の一人のことで、1ppmは百万人中の一人と言うことです。わかりました?
測定試料は一般的には溶液試料
溶液の濃度単位
1%=1/100=10-2
1 ppm=1/1,000,000=10-6=0.0001%
1 ppm=1 mg/L=1 µg/mL
1 ppb=0.001 ppm=10-9
1 ppt=0.001 ppb=10-12=1兆分の1
1 ppb=1 µg/L=1 ng/mL
1 ppt=1 ng/L=1 pg/mL
使用される分野
Q: 「どんなところで使われているの?」
A: 市販の水にミネラル成分の濃度が表示されていると思います。それらの濃度の測定には原子吸光光度計が用いられています。(食品の分野)
安全な水か、おいしい水か、含まれている金属類の濃度も多いに関係しています。その濃度を測るにも原子吸光光度計が用いられています。(環境分野)
血清中のアルミニウムの濃度はアルツハイマーなどと関係があるそうです。 アルミニウムの 測定にも使用されています。(医学分野)
その他、化学や金属の分野でも広く使われています。