圧電応答顕微鏡(PRM:Piezo-Response Microscope)
原理: 探針試料間に交流電圧を印加し、強誘電体試料の圧電効果により生じる歪みをカンチレバーの変位としてロックインアンプで計測し、画像化します。
- 強誘電体に圧力を加えると電荷を生じます。また、強誘電体に電圧をかけると、その分極状態に応じて伸び縮み(歪み)を生じます。この性質は圧電効果と呼ばれています。
- 試料と探針間へ印加する交流電圧に対して、サンプル歪みの伸縮の関係が同相になっているか、逆相になっているかで、試料の分極状態を測定します。
- Åオーダーの強誘電体セラミックスの圧電応答を検出することができます。
- 探針を使って抗電界以上の直流電圧を印加しながらパターン描画し、その領域を抗電界以下の交流電界でPRM測定することにより、強誘電体メモリとしての記録再生実験を行うことが可能です。
下の図の2つの残留分極の状態(+Pr, -Pr)は、印加された電圧の極性に対して、伸び縮みが逆の動きになります。交流の印加電圧に対するレバーのたわみをロックイン検出して、印加した交流電圧と同相成分(A cos)を画像化し、分極状態のマッピングを行っています。
圧電応答顕微鏡(PRM:Piezo-Response Microscope)の適用例
試料:PZT薄膜
PZT薄膜に抗電界以上の直流電圧を印加して星型のマークをつけ、抗電界以下の交流電圧によりPRM測定で記録マークの観察を行った例です。
<参考資料>
関連情報
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