TNFD提言に基づく情報開示:一般要件
WEBサイトの開示情報はダイジェストとなっております。詳細はTNFDレポート(PDF形式、2.88MB)をご参照ください。
マテリアリティの適用
日立ハイテクグループでは社会からの要請に対して、事業特性やビジネスモデルを活かし、どのような社会課題の解決に取り組むべきか、世の中に役立つことができるのかを明確にするため、5つのマテリアリティを特定しています。その中で一つ目として掲げた「持続可能な地球環境への貢献」は、気候変動や資源の枯渇、生物多様性の損失等の環境に関する問題の深刻化が指摘される中、地球環境が守られるからこそ社会や健全な市場が機能し、私たちのビジネスや生活が成り立つという考えから、特定に至りました。この「持続可能な地球環境への貢献」の観点から、「自然資本が事業活動に与える影響」と「事業活動が自然資本に与える影響」についてこの度評価しました。
開示スコープ
本レポートでは、バリューチェーン全体(直接操業、上流)を評価と開示の対象としています。直接操業では日立ハイテクの連結対象グループ会社すべて、上流では主要なサプライヤーを対象としています。開示のスコープとしては「ナノテクノロジーソリューション」「ヘルスケアソリューション」「コアテクノロジーソリューション」「バリューチェーンソリューション」の4つ事業ドメインの中から、スコーピングプロセスに基づき、主力製品の製造を行う「ナノテクノロジーソリューション」「ヘルスケアソリューション」「コアテクノロジーソリューション」の3つの事業ドメインに焦点を当てて評価を行うこととしました。
自然関連課題のある地域
TNFDにおける自然関連の影響を受けやすい要注意地域の定義に沿って、地理的情報を基に複数の生物多様性リスク評価ツールにより評価し、さらに重要地域の重みづけを行いました。それらを独自の方法でスコア化し優先度付けを行いました。
その結果、課題のある地域として、日本、中国、アメリカ、ドイツ、フィンランドについて評価した結果を公開しています。
また、評価の結果優先地域となった拠点の取り組みを以下よりご紹介します。
他のサステナビリティ関連開示との統合
他のサステナビリティ関連の情報開示との統合として、すでに開示している気候関連課題に関するTCFDフレームワークにおける開示情報と整合させています。これはもともとTNFD開示フレームワークがTCFDをベースとして策定されているためであり、生物多様性に関するシナリオ分析においても気候シナリオとの関連性を考慮しています。
検討された対象期間
気候関連課題に関するシナリオ分析と整合させ、短期(3か年)、中期(2030年度)、長期(2050年度)の時間的視点において評価しています。
そのうえで、2030年度時点、2050年度時点のビジネス環境を考察しました。
自然関連課題の特定と評価における地域社会やステークホルダーとのエンゲージメント
当社グループでは、「マルチステークホルダー方針」に則り、株主にとどまらず、従業員、取引先、顧客、債権者、地域社会をはじめとするあらゆるステークホルダーから「信頼」される企業をめざし、ハイテク・ソリューションによる「価値創造」を基本とした事業活動を通じ、マルチステークホルダーとの適切な協働に取り組むとともに、社会の進歩発展に貢献します。あわせて、当社グループは「公正かつ透明」で信頼される経営を行い、成長し続けていくとともに、「環境との調和」を大切にし、情熱と誇りを持ち、社会的責任を全うする企業市民として豊かな社会の実現に尽力します。
この度のTNFDに基づく情報開示によって、自然資本に関連するリスクや機会に関係するあらゆるステークホルダーへのエンゲージメントを推進していきます。