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日立ハイテク
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優先地域の取り組み1:日立ハイテク 那珂地区(茨城県ひたちなか市市毛882番地)

日立ハイテク 那珂地区では、分光分析技術や電子線技術を活用した医用分析装置、DNAシーケンサー、半導体計測・検査装置、電子顕微鏡などの設計・開発・製造を行っています。
事業活動を行う上で、精密部品・機器の洗浄や冷却などの用途で水を利用しておりますが、日立ハイテクグループの中で最も取水量が多いため、計画的に水資源利用効率改善を目的とした様々な施策を行っています。
また、自然に配慮した活動として那珂地区からほど近い国有林を借り受け「日立ハイテクやさとの森」と命名し、育林活動に取り組んでいます。

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生物多様性の保全:「日立ハイテクやさとの森」について

林野庁の「法人の森林」制度を利用し、茨城県石岡市に約2.3haの国有林を借り受けています。その国有林を「日立ハイテクやさとの森」と命名し、2005年から60年間にわたる育林活動に取り組んでいます。
「日立ハイテクやさとの森」は、2005年4月に社員とその家族がヒノキなどの苗木5,600本を植樹したことから始まりました。植樹から現在まで、森を育てるために必要な下草刈りや枝打ち、間伐などの作業は、当社グループの社員有志とその家族も参加しています。
森は木材という天然資源を生み出すだけではありません。森を育てることにより、CO2の吸収・貯蔵による地球温暖化防止への貢献、水源かん養の働き*、保水力を通じた災害抑止機能、生物多様性の保全など、さまざまな恵みをもたらします。

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水源かん養の働き:雨水を蓄え水量を調節し、洪水などを緩和したり、水質の浄化をしたりする機能

環境貢献例 2006~2022年度累計
水源かん養(2ℓペットボトル本数、m3/年) 574万6千本分(11,488m3
土砂流出防止(10tダンプトラック、5.5 m3/台) 56台分(317m3
CO2の吸収・貯蔵(一人当たりのCO2排出量換算) 683人分(CO2 219.0t)

事業活動における自然関連の機会:「持続可能な農業の実現に向けた生物的防除への取り組みに貢献が期待される事例

世界人口の急激な増加による今後の食糧不足が懸念されるなかで、気候変動を背景とした干ばつや水害、病害虫による農作物の被害が世界各地で拡大しています。現在の主力である化学農薬における防除では、土壌汚染や病害虫の薬剤抵抗性などが懸念され新たな防除法の確立が求められています。その有効な解決策として期待されるのが、天敵を利用して病害虫の防除を行う「生物的防除」です。

この分野の第一人者である京都大学大学院農学研究科の日本典秀教授は、農地とその周辺各地の天敵生物のゲノムを解析し、遺伝系統を明らかにして移動や分布の状況を把握することにより、農薬の使用などで環境負荷をかけるのではなく、病害虫の天敵となる虫や微生物を利用して防除する研究をされています。

当社のDNAシーケンサーは、本研究をはじめとする生態系サービスの持続的な利用や生物多様性の保全への貢献が期待されます。