SEA1000AIIによるハロゲン測定事例
SEA1000AIIにハロゲン対応オプションにより、ClKα線の感度が向上するとともに、BaLαの影響を補正することができるようになり、効率よく塩素(Cl)を検出することが可能になります。
Cl、Brを含む試料を、ハロゲン対応オプションを装着したSEA1000AIIで測定した事例を示します。
<測定条件>
元素 | 塩素(Cl) | 臭素(Br) | バリウム(Ba) |
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管電圧 | 7kV | 50kV | 50kV |
管電流 | 自動設定 | 自動設定 | 自動設定 |
コリメータ | Φ5mm | Φ5mm | Φ5mm |
一次フィルタ | なし | Pb用 | Pb用 |
測定時間 | 300秒 | 100秒 | 100秒 |
分析線 | ClKα | BrKα | BaKα |
<標準物質>
日立ハイテクサイエンス製ハロゲン測定用ポリエチレン標準物質4種
<測定試料>
ポリエチレン認証標準物質 BCR680(認証値: Cl 810±16ppm、 Br 808±19ppm)
バリウム含有ポリエチレン試料3種(1wt%, 3wt%, 5wt%)(Cl, Br濃度: 各約1000ppm)
試料中にBaが含まれることにより、Cl KaはBaによる吸収のため、感度が変わります。本オプションでは、Ba濃度も同時に測定することで自動的に補正行います。
予想される塩素の検出下限(300秒測定時) Baなし: 18ppm
Ba4wt%含有: 29ppm (バックグラウンドの統計変動の3倍と定義)
照射領域全面 | 一粒 | |||
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|
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Cl(ppm) | Br(ppm) | (Clppm) | Br(ppm) | |
平均値 | 810 | 772 | 830 | 800 |
標準偏差 | 12.0 | 10.4 | 22.6 | 11.5 |
CV% | 1.5 | 1.3 | 2.7 | 1.4 |
(バリウムの測定結果は省略しています)
BCR680をφ5mmの測定領域全体に試料を並べた場合と、1粒のみ測定領域中央に置いた場合の2通りの状態で測定を行いました。形状補正機能により両者ともほぼ同じような測定結果が得られることがわかります。
平均値
|
標準偏差
|
CV%
|
||
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Ba 1wt% |
Ba(wt%) | 1.1 | ||
Cl(ppm) | 1059 | 12.0 | 1.1 | |
Br(ppm) | 1017 | 12.4 | 1.2 | |
Ba 3wt% | Ba(wt%) | 3.0 | ||
Cl(ppm) | 1040 | 15.5 | 1.5 | |
Br(ppm) | 996 | 11.2 | 1.1 | |
Ba 5wt% | Ba(wt%) | 4.8 | ||
Cl(ppm) | 932 | 21.2 | 2.3 | |
Br(ppm) | 963 | 15.8 | 1.6 |
バリウムが含まれている場合でも、濃度に応じて補正が行われていることがわかります。