異物解析サービス(電子顕微鏡)
本サービスが求められる背景
原材料、製造工程などからの異物混入は、金属・樹脂・セラミックス・電子部品・食品・医薬品などあらゆる業界で起こりえます。
異物の混入をいち早く対策する為には、まず初めに異物が何なのか同定する事が重要です。
金属など無機系の異物の解析においては、SEMとEDXの組合せで迅速な異物の同定が可能であり、「安全・安心」「企業の信頼性」に関わる重要な問題に対し、日立ハイテクでは、電子顕微鏡を用い無機系異物の同定を迅速に実施、早急な原因解明とその対策を可能とします。
異物解析の必要性
異物発生時の対応フロー
異物解析サービスについて
フィルタなどで抽出した異物を電子顕微鏡で観察、電子線により励起された特性X線を付属するエネルギー分散型検出器(EDX)で検出、そのエネルギー値から異物の同定が自動的に可能です。
* 有機系異物の場合は、一般的にFT-IRやラマンが使用されます。
アプリケーション事例
①樹脂中異物の解析事例
樹脂中に入り込んだ異物をSEM観察することにより、異物の形状を詳細に確認することが可能です。
また、高解像度のSEM像により異物の特徴的な構造を把握するとともに、元素マッピング機能から、その組成を知ることにつながり、原因究明を可能とします。
異物のSEM像を取得し、高倍率で観察すると高コントラストの縞状構造が把握できました。
異物混入原因究明のため、イオンミリング処理を行った試料を無蒸着で低真空EDX分析を行ったところ、酸素、チタン、亜鉛が検出されました。
反射電子像の高コントラストの縞模様部分には亜鉛の偏析が確認できたこと、チタンと亜鉛の酸化物が確認できたことから、樹脂成型の過程での白色顔料の混入と推測された事例を以下ご紹介いたします。
以下は、FlexSEM1000による解析です。現在の評価受託サービスでは、SU3500でサービスを提供致します。
樹脂中異物のSEM画像
(観察倍率:150倍)
樹脂中異物の拡大SEM画像
(観察倍率:700倍)
樹脂中異物の元素マッピング像
②鋼中介在物の解析事例
金属材料に含まれる異物を観察することも可能です。
材料に混入する意図しない異物が、その後の工程や、材料特性に影響する可能性もあり、適切な前処理により異物の確認と、組成を把握することが重要となります。
鉄鋼試料に混入した異物の確認と解析の事例を以下ご紹介いたします。
イオンミリング処理したバルク試料をSEM観察し、低倍率反射電子像に複数の介在物の分布を確認しました。
拡大により、形状や組成を明瞭に観察することができ、反射電子像のコントラストから複数の組成で構成されていることが示唆されます。
EDXマッピングにより、AlとOが大部分を占めるなか、部分的にTiとOで構成されていました。
また、BSE像のAl酸化物と異なるコントラスト部には、TiとNが部分的に検出され、酸化物相表面に析出したTiNであることが示唆されました。
他にもシリサイドや還元鉄と想定される領域が反射電子像とEDXマッピングともに観察でき、観察手法を複合させ結果を確認することが可能です。
以下は、Reglus8200による解析です。現在の評価受託サービスは、Reglus8230でサービスを提供致します。
対応装置紹介
走査電子顕微鏡 SU3500
走査電子顕微鏡 Reglus8230
走査電子顕微鏡 SU3800
走査電子顕微鏡 SU3900
お問合せ先
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株式会社日立ハイテク テストエンジニアリング部
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