自動車向けサービス(分光光度計)
本サービスが求められる背景
近年の自動運転技術向けのセンサーやディスプレイの視認性向上技術、外装・内装部材の高付加価値化に対して、光学特性の評価ニーズが増加しています。
日立ハイテクでは自社技術を用いた光学系の評価サービスや、それに付随する信頼性試験、物理試験の総合的な対応が可能となります。
分光光度計について
分光光度計は分光器と光電子増倍管などを組み合わせて,光の波長ごとのスペクトルの強度分布を測定する装置であり、液体/固体の様々な測定が可能となります。
固体試料の測定について
固体試料測定に特化した試料室に測定目的に応じた付属装置をラインアップしております。
【スペクトル測定】
- 透過スペクトル測定 :レンズやガラス、樹脂などの波長毎の透過光の強度分布を取得します。
- 反射スペクトル測定 :ミラーや塗料の波長ごとの反射光の強度分布を取得します。
【応用計測】
取得したスペクトル情報を基に、日射透過/反射計算、可視光透過/反射、色彩計算、黄色度、白色度の計算をすることができます。
液体試料の測定について
液体試料では吸収スペクトルを測定します。主に石英製の10mm角セルなどに試料を入れ測定します。
【スペクトル測定】
- 吸収スペクトル測定 :波長毎の透過光の強度分布より吸光度に換算して試料の吸収特性を取得します。
よくある評価サービスの一例
自動車向けでは、自律センサーやディスプレイに用いられる光学部材、外装や内装パーツなどの透過率、反射率測定に対応しています。
部材 | 対象部品 | 測定種別 | |
---|---|---|---|
自律センサー | (カメラ)(LiDAR) | レンズ | 透過 |
IRカットフィルター | 透過 | ||
光学フィルター | 透過/反射 | ||
CMOSカメラ | 反射 | ||
NIR透過外装カバー | 透過/反射 | ||
ディスプレイ | (ヘッドアップディスプレイ) (インパネ) |
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ARコート | 反射 | ||
コールドミラー | 透過/反射 | ||
ハーフミラー | 透過/反射 | ||
外装・内装 | (フロント・サイド・リアガラス) (ダッシュボード)(外装色) |
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IRカットガラス | 透過/反射 | ||
UVカットガラス | 透過/反射 | ||
遮熱塗料 | 反射 |
組レンズ向けの試料ホルダを製作可能です。可視域で高い透過率を有していることが分かります。
積分球の背面に試料を設置することにより、遮熱塗料などの全反射率測定が可能です。オプションパッケージを用いることで、自動で日射反射率の計算も可能です。
LiDARにはさまざまな方式が開発されていますが、可視光によるカラーカメラ画像と940 nmの赤外光源にて距離情報を同時取得する方式が検討されています。その際、ノイズの原因となる不要な光はブロックし、カメラ撮影のための可視光の波長範囲とLiDARのための近赤外の特定の波長範囲を透過するデュアルバンドパスフィルターが用いられます。UH4150形では、紫外・可視・近赤外領域にて高い透過率と低い透過率分布を有する試料においても高精度で測定することが可能です。
LiDARに用いられるミラーは、高入射角にて高い反射率が求められます。微小自動角度可変絶対反射測定システム(特注)を用いて入射角度5°~75°におけるAlミラーの反射率を測定しました。
<対応装置>
項目 | UH4150 /UH4150 AD+ |
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検出器 | 紫外・可視域:光電子増倍管、 近赤外域:冷却型PbS(UH4150) :冷却形InGaAs(UH4150AD+) |
測定可能波長範囲 |
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測定モード | 吸光度(Abs)、透過率(%T)、反射率(%R)、光学濃度 (O.D.) 参照側エネルギー(E(R))/試料側エネルギー(E(S)) |
測光レンジ |
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測光正確さ | ±0.002Abs(0≦A<0.5 Abs)、±0.004 Abs(0.5≦A≦1.0 Abs)、±0.3 %T NIST SRM 930に準じたフィルタにて検定 |
お問合せ先
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株式会社日立ハイテク テストエンジニアリング部
TEL:080-8420-3572