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分光光度計基礎講座 第2回 比色分析(吸光光度法)について(1)

比色分析とは、別名「吸光光度法」とも呼ばれ、色をみて物質を分析する方法を言います。 では、その「色」とは何か、色を見せてくれる「光」とは何か、から考えてみましょう。

光と色

光とラジオとレントゲンの関係(光とは)

光とは何ですか、と聞かれてすぐ答えられますか? 普段あたり前のように私たちの周りにある「光」。
実はラジオ、テレビの電波やレントゲンに使われるX線と同じ電磁波の一種なのです。

光とは電磁波の一種である

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太陽とレーザー光線(白色光と単色光)

上記の表に示されている光の中でも、波長が200~400nmの範囲を紫外(UV;Ultra Violet)、400~800nmの範囲を可視(VIS;Visible)、800nm~1mm付近を赤外(IR;Infra Red)と呼んでいます。この中でも、その名のとおり可視光線だけが私たちの目に「色」として見ることができます。 赤色や青色と言うのは「波長」によって決まっています。虹の色の並び方がいつも同じなのもこの理屈です。

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紫外・可視・赤外など、全部の光を含んでいる光を「白色光」といい、太陽光線や白熱電球などがそうです。 一方、赤色、青色など一つ一つの光を「単色光」といい、白色光「太陽光」が七色の虹になるように「フィルタ」や「プリズム」などの道具を使って分けた光(色)、一つの波長(「単波長」という)のみを出力するレーザー光線などがあります。

白色光:全部の波長を含んでいる光、単色光:単波長の光

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リンゴはなぜ赤い(色とは)

ニュートンは「リンゴは何故木から落ちるか?」と考えました。ここでは「リンゴは何故赤く見えるか?」について考えてみましょう。

夜中、真っ暗な部屋の中でリンゴは赤く見えますか?

答えはNOです。しかし、電気をつけたり、明るい昼の間はリンゴは赤く見えます。ということは、私たちが「色」を見るためには光(ここでは白色光)が必要ということになります。

では、何故リンゴが青や黄色ではなく赤く見えるのでしょうか? 私たち個人個人が好きな色、嫌いな色があるように、リンゴや車、衣服などの物質にも好きな色とそうでない色があります。

ある物質にいろいろな色を含む光(白色光)を当てたとすると、物質はその中から好きな色だけを取り込んで離さなくなり(この現象を「吸収」という)、嫌いな色が私たちの目にその物質の色として見えるのです。(「補色」という)

つまり、リンゴの場合は青緑という色が好きで赤色が嫌いなのです、白色光が当ると青緑色を吸収し、私たちには補色である赤色が見えるという訳です。また、私たちが「色」と呼んでいるものはすべて「波長」と関係があることを覚えておきましょう。

物質は特定の波長の光を吸収し、目に見える色はその補色(余色)である

波長(nm) 補色(余色)
~400 紫外
435~480
480~490 緑青
490~500 青緑
500~560 赤紫
560~580 黄緑
580~595
595~610 緑青
610~750 青緑
750~ 赤外

目に見えない光(紫外線と赤外線)

今までの説明で可視光線とはどんなものか、わかりましたか?わからない人は復習しましょう。 では、可視光線以外の光、私たちの目に見えない紫外線と赤外線とはどんなものでしょう。

紫外線

皮膚ガンや日焼けの原因となるのが紫外線です。紫外線は、上限が400nm付近、下限はあまり明確でありませんが100nmくらいまで(数十nm以下は軟X線)の波長範囲の電磁波で、UVと略します。

分光分析の分野では200nm以下の紫外領域を遠紫外、300nm以上を近紫外と表現することもあります。通常、紫外可視分光光度計では200nmからの測定が可能です。

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赤外線

遠赤外線グリルや遠赤外線こたつなど、私たちの日常生活で赤外線という言葉もよく耳にします。赤外線は、上限が1mm付近(一部はマイクロ波のサブミリ波と重なる)、下限が800nm付近の波長範囲の電磁波でIRと略します。

赤外線は熱作用を持つので熱線とも呼ばれています。グリルやこたつに赤外線が使われているのもこれで納得です。赤外線の区別はまちまちですが、普通2.5µm以下を近赤外線、2.5~25µmを赤外線、25µm以上を遠赤外線と呼んでいます。赤外線の測定には赤外分光光度計が使われますが、紫外可視分光光度計でも近赤外域まで測定できるものもあります。

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