分光光度計基礎講座 第8回 分光光度計の仕組み(3)
分光光度計の各部品
光源
分光光度計の光源には、紫外域測定用の重水素放電管、可視・近赤外域測定用にタングステンランプと2種類ランプが使われています。
種類 |
タングステン |
重水素放電管 |
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記号 |
W WI |
D2 |
特性 |
300~3000nm間の連続スペクトル |
250nmに極大エネルギーを持ち、 |
波長範囲 |
340~1100nm |
185~360nm |
分光エネルギー |
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分光器
分光器は、光源(白色光)から単色光を選ぶ働きをするところです。分光器には、フィルタ式・プリズム式・グレーティング(回折格子)式などがあります。
種類 |
フィルタ |
プリズム |
グレーティング |
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特徴 |
1枚のフィルタで単 |
175~2700nm間の |
分散が全波長均一、 |
種類と材料 |
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色ガラスフィルタ |
水晶または溶融石英 |
平面回折格子 |
試料セル
試料を入れる容器は通常「セル」と呼ばれ、ガラス製と石英製の2種類があります。ガラス製は、波長340nm以下の紫外域の光を通しにくいので340nm以上の可視域測定用に使われています。一方、石英セルは紫外・可視域の全波長の光を通しますが、高価なため主に紫外域測定用として使われます。 最近では、ディスポタイプのプラスチック製セルもあります。
検出器
検出器は試料からの透過光を電気信号に変換する働きをします。 光半導体(ホトセル)、光電子増倍管(ホトマル)などの種類があります。
光半導体(ホトセル) |
光電子増倍管(ホトマル) |
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紫外から近赤外までの波長域にわたり、高速・高感度・低雑音が特長。 Siフォトダイオードが代表的なもの。
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紫外・可視部ともに感度がある光電管と増幅器(約10倍増幅)を兼ね備えたもので、印加電圧の増大によって感度を大幅に変えられる。
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