分光光度計基礎講座 第7回 分光光度計の仕組み(2)
光学系
試料専用の席はあるか(シングルビームとダブルビーム)
シングルビーム方式
吸収測定では、毎回、試料と参照について測定しこれらの測定結果を比較しています。 シングルビーム方式は測定を行う席が一つしかなく、測定波長を変えるごとに試料と参照を入れ替えて100%合わせ(または0 Abs合わせ)を行わなければなりません。 この方式は主に定量測定に利用され小形で安価な装置構成が可能ですが、光源の変動(ドリフト)を補正することはできません。
ダブルビーム方式
測定場所が一ヶ所しかなかったシングルビーム方式に対し、試料専用席、参照専用席を設けたのがダブルビーム方式です。参照側のエネルギーも検知器に入射しているため、この信号を基準として測光しています。 これにより、光源の変動を補正することができ、長時間安定した測定ができます。
波長の厳選(シングルモノクロとダブルモノクロ)
モノクロ(モノクロメータ、分光器)とは、いろいろな波長を含んだ光の中から欲しい波長の光を取り出す選別機の役目を果たしています。 しかし、いくらチェックしたつもりでも欲しい波長以外の波長も紛れ込んでしまうことがあります(この紛れ込んだ、あるいは迷い込んだ光を迷光といいます)。厳密な測定をする場合に、この迷光が悪影響を及ぼすことがあります。そこで、この一度チェックをパスした光に対してさらにもう一度チェックをする、というのがダブルモノクロ方式です。一度しかチェックしない方式をシングルモノクロ方式といいます。