移動性臓器対応
動体追跡照射システム
肺や肝臓のような体幹部の腫瘍は呼吸等で位置が変動するため、腫瘍位置をリアルタイムで捉えて正確に陽子線を照射する技術が必要です。
動く腫瘍に対し、高精度に治療する技術
動体追跡照射技術は、腫瘍近傍に留置したマーカー位置を監視し、マーカが所定の範囲に入った時のみ照射します。
腫瘍の様々な体内運動に対応した高精度照射であり、正常部位への照射を大幅に減らすことが可能です。
動体追跡照射技術は、北海道大学殿と日立の共同開発により実現しました。
北海道大学殿の動体治療照射技術と、日立が世界に先駆け商品化に成功したスポットスキャニング照射技術*1,2を組み合わせ、治療システムとして完成させました。
- 2014年:国内医療機器の製造販売承認取得*3
- 2017年:米国食品医薬品局から販売認可取得*4
- 2020年:欧州CE Marking*5
- *1 FDA 510(k)番号:K073059
- *2 医療機器承認番号:22200BZX00124000
- *3 医療機器承認番号:22600BZX00068000(動体追跡照射システムを組み込んだ陽子線治療装置にて承認)
- *4 FDA 510(k)番号:K171049
- *5 MDD医療機器指令認証書番号:HD 60148294(動体追跡照射システムを組み込んだ陽子線治療装置にて認証)
呼吸同期システムとの接続
呼吸等で動く腫瘍への対応として、X線治療でも使用されている呼吸同期システムと日立の粒子線治療システムは接続可能です。
接続実績
- 安西メディカル株式会社製呼吸同期システム
- *その他の呼吸同期システムとの接続については、お問い合わせください。
移動性臓器対応
動体追跡照射及び呼吸同期システムは、1つの粒子線治療システムに両方搭載することも可能です。
スイッチ1つで簡単に切り替えることができます。
2軸四次元コーンビームCT(CBCT)
2軸四次元CBCT技術*6は、体内運動する腫瘍を治療する際の患者位置決め精度向上を目的に、北海道大学殿と日立にて共同開発した技術です。
動体追跡技術、及び、直行する二対のX線撮像系の同時使用技術を組み合わせています。
この技術により、二次元のX線画像や従来のCBCTでは視認が困難であった動く部位における腫瘍及び周辺組織の鮮明な三次元画像を取得することが可能となりました。
2軸四次元CBCT技術は、2020年9月に医療機器の製造販売承認を取得しました。
現在はアダプティブ治療への応用も視野に入れ、製品化に向けさらなる開発を推進しております。
- *6 医療機器承認番号:22600BZX00068000
2軸四次元CBCT News release
https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2020/11/1113.html
- ※製品の改良により予告なく記載されている仕様が変更になることがあります。
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