HPLC Chromaster(クロムマスター)-テストステロンおよび代謝物の同時分析-
通常、服用した薬物は、主に肝臓でシトクロムP450(CYP)による代謝を受けます。
CYPは、生体内に取り込まれた異物を体外に排泄しやすい形に変換する酵素です。
CYPには多数の分子種が同定されていますが、そのうち主に9種類(CYP1A2, 2A6, 2B6, 2C8, 2C9, 2C19, 2D6, 2E1, 3A4)が薬物の代謝に関与しています。中でも、CYP3A4は市販されている医薬品の過半数を代謝するといわれています。
今回はCYP3A4の指標基質であるテストステロンと、テストステロンから生成した代謝物 6β-ヒドロキシテストステロンの分析例についてご紹介します。
* 本反応は、薬物代謝評価における、HLM(ヒト肝ミクロソーム)活性評価のための、指標となる代謝反応です。
テストステロンおよび代謝物の同時分析
試料: テストステロン(ヒト肝ミクロソーム反応液)
ステロイドホルモンの一種であるテストステロン(TES)、市販Human liver microsomes(HLM)に加えて反応させ、代謝物(6β-ヒドロキシテストステロン、6β-OH TES)を生成させたもの。
試料調整法
0.2 mg/mL Human liver microsomes
10 mM Kpi(pH 7.4)
200 µM Testosterone
NADPH generating system
Total 200 µL
Incubate at 37°C for 30 min
Stop reaction with 2 mL of CH2Cl2
Add 1 mL of 3 M NaCl
Add 20 µL of 20 µM Corticosterone as internal standard
Vortex vigorously
Centrifuge at 2,000 rpm for 5 min
Collect organic layer
Dry under N2 stream
Reconstitute with 200 µL of mobile phase
Inject 10 µL to HPLC
分析条件:
カラム | HITACHI LaChrom C18 (5 µm) (4.6 mmI.D. x 150 mm) HITACHI LaChrom C18 (3 µm) (4.6 mmI.D. x 100 mm) |
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溶離液 | 50% CH3OH/10 mM potassium phosphate buffer (pH 7.4) |
流量 | 1.0 mL/min |
カラム温度 | 35°C |
検出 | UV 240 nm |
注入量 | 10 µL |
装置構成:
Empower2 データ処理システム
分析結果:
* サイズの異なる2種類のカラムを使用して、検討した結果です。
注意:本掲載データは測定例を示すもので、数値を保証するものではありません。
本製品は研究用です。診断用ではありません。