HPLC Chromaster(クロムマスター)
-2波長検出の医薬品分析への応用-
Chromaster 5410 UV検出器では、リアルタイム波長切り替えによる、2波長同時測定が可能です。
不純物や分解物の測定のほか、タンパク質、ペプチドの分析にも有効です。
波長切替え時のデータ取り込み間隔を400 ms~とすることで、データポイントをのがすことなく、正確にピークを検出することが可能です。以下に、分析例について紹介します。
UV2波長検出の医薬品分析への応用
試料:
アセチルサリチル酸含有製剤(局方名アスピリン)
アセチルサリチル酸の重要な作用機序として、プロスタグランジン生合成を抑制し、鎮痛作用、解熱作用、抗炎症作用を現すことが報告されています。アセチルサリチル酸は、解熱鎮痛剤として処方薬をはじめ、一般薬としても繁用され、総合感冒薬にも含有されています。
アセチルサリチル酸は、水溶液中でサリチル酸(Salicylic acid)とAcetic acidに加水分解することが知られており、この反応は高温やアルカリ性下、さらにマグネシウム存在下に分解が促進することが報告されています。
(アスピリンの試薬中にも分解物のサリチル酸(Salicylic acid)が少量混入しているため、標準品として使用する場合は注意が必要です)
試料調製法:
錠剤1錠に超純水1000 mLを加え、超音波処理により3分間崩壊させた。 分解物を生成させたのち、メンブランフィルターでろ過し、試料とした。
装置構成:
Empower2 データ処理システム
分析結果:
データ収集間隔 400 ms
分析条件:
カラム | HITACHI LaChrom C18(5 µm)(4.6 mmI.D.×150 mm) |
移動相 | 20 mM CH3COONH4:CH3OH=80:20 |
流量 | 1.0 mL/min |
カラム温度 | 40 ℃ |
検出 | UV 205 nm、270 nm |
注入量 | 20 µL |
アスピリンの最適測定波長である270 nm(米国薬局方:USP、日本薬局方:溶出試験)では、分解物や添加物などの微小ピークを正確に検出することはできませんが、205 nmで同時に測定することで、分解物および、添加物などの微小ピークも合わせて確認することが可能です。
注意:本掲載データは測定例を示すもので、数値を保証するものではありません。
本製品は研究用です。診断用ではありません。